渡会正三

渡会 正三（わたらい しょうぞう）について

渡会正三は、日本の著名な化学工学者であり、日本の工業界に多大な貢献をした人物です。彼は名古屋大学工学部の教授として長年活躍した後、鶴岡工業高等専門学校の校長を務めました。また、化学工学会の名誉会員としても知られています。

人物と生い立ち

渡会正三は山形県西田川郡大山町に生まれました。彼の学び舎となったのは、山形県立鶴岡中学校（後の山形県立鶴岡南高等学校）です。1935年には第一高等学校の高等科理科乙類を卒業し、その後、東京帝国大学工学部応用化学科に進学しました。1938年に同大学を卒業し、彼のキャリアが始まります。

工学の分野でのさらなる研究を続け、1961年には東京工業大学で工学博士の学位を取得します。この学位は、彼が化学工学の領域において専門的な知見を持つことを示す重要なものでした。

学術研究と教育

渡会正三は名古屋大学工学部の教授として、化学工学の教育と研究に注力しました。彼の研究分野には化学反応装置や化学工程設計、計装技術などが含まれ、これらは現代化学工業において重要なテーマです。彼はその実績を評価され、1976年からは鶴岡工業高等専門学校の校長に就任し、後進の育成にも尽力しました。

家族と背景

実家は「出羽ノ雪」で知られる酒蔵の渡會本店で、地域に根ざした伝統的な企業です。また、妻は矢馳の豪農、木村九兵衛の長女であり、彼の家族は地域社会での重要な役割を担っていました。

主要著作

渡会正三は、その豊富な知識と経験を生かし、多くの著書を出版しました。彼の代表的な著作には、以下のようなものがあります。

• - 『化学反応装置概論 . 反応装置 . 化学工程設計 . 計装の要点』（日刊工業新聞社、1956年）
• - 『反応装置』（日刊工業新聞社、1957年）
• - 『工業反応装置』（日刊工業新聞、1960年）

これらの著作は、化学工学を学ぶ学生や専門家にとって、貴重な資料となっています。

まとめ

渡会正三は、日本の化学工学界において重要な役割を果たした学者であり、その業績は今もなお多くの人々に影響を与えています。名古屋大学での教育活動や鶴岡工業高等専門学校での校長職を通じて、彼は次世代の技術者を育成し、工業界における革新を推進しました。彼の著作も、学問の発展に寄与し続けていることから、化学工学の分野での継続的な研究の重要性を物語っています。

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