渡辺えりか

渡辺えりか（わたなべ えりか、本名：横須賀 えりか）は、1978年4月28日に生まれ、2018年4月20日に逝去した日本の元女子プロレスラーです。北海道北見市出身で、主にJWP女子プロレスに所属して活動しました。リングネームとしては、自身の名を冠した渡辺えりかのほか、「橋本 真弥（はしもと まや）」や、ユニークなマスク姿のキャラクターである「マスクウーマンラウンドガール」としても知られています。

経歴

プロレス界でのキャリアは、1998年1月23日、神奈川県川崎市体育館で行われた春山香代子との一戦で始まりました。デビューからわずか3週間後の同年2月14日には、当時プロレス界で絶大な人気を誇っていた橋本真也に顔立ちが似ているという、異例とも言える理由から「橋本真弥」へと改名します。

レスラーとしてだけでなく、その食欲旺盛なキャラクターも注目され、特に1999年4月に放送されたTBSテレビの特別番組『金曜テレビの星!』内の「大食い王座決定戦」では見事優勝を果たし、多方面でその名を知らしめました。同年8月には「マスクウーマン・フェスティバル」に「ラウンドガール」として登場し、新たなキャラクターを確立します。しかし、同年11月29日、頭部の負傷を理由に一度目の現役引退を表明しました。

リングを離れた後、結婚などを経て、2001年にはレフェリーとして再びプロレスの現場に戻ってきます。そして、同年11月28日にはフリーの立場で現役への復帰を果たしました。その後、2002年6月16日には古巣であるJWPに再び所属となります。これ以降、渡辺えりか、そしてラウンドガールの二つの名義を使い分けて活動を展開しました。特にラウンドガールとしての特異なキャラクターは、休憩時間中に設けられたインフォメーションコーナー「えりりんの部屋」でも存分に活かされ、ファンからの人気を集めました。

選手としての実績としては、2005年5月15日に行われた後楽園ホール大会で松尾永遠を破り、JWP認定ジュニア王座を獲得するという念願を叶えました。しかし、同年12月3日、新宿FACEでの江本敦子戦に敗れ、惜しくも王座を失っています。また、2003年7月20日には、後にスター選手となる木村響子のデビュー戦の相手を務めています。選手活動の後半には心臓の病を患い、これが二度目の引退を決意する大きな理由となりました。引退試合は二度に分けて行われ、2006年1月7日にはラウンドガールとして、そして同年1月22日には渡辺えりかとして、東京キネマ倶楽部でそれぞれ最後のリングに上がりました。

プロレス引退後、2013年9月に胃がんが判明。発見時には既に肝臓などにも転移が進んでいる状態であり、懸命な闘病生活を送っていましたが、2018年4月20日の早朝、自宅にて永眠しました。享年39歳でした。

得意技

チョップ：相手の胸などに手刀を打ち込む打撃技。
払い腰（はらいごし）：柔道の技を応用した投げ技。
エルボードロップ：倒れた相手に対し、自身の肘を落下させて打ち付ける技。
スピアー：助走をつけて相手にショルダータックルを仕掛ける突進技。
ジャベ：ルチャリブレ由来の関節技や締め技の総称。
タニア：相手の両腕と両足を自らの脇に抱え込み、持ち上げて仕掛けるバックブリーカー。リバースゴリースペシャルに類似しているが、相手を頭上ではなく肩の上に担ぎ上げる点が特徴である。
トルニージョR：相手の片足を片腕で取りながら仕掛ける、スタンディング状態からの変形ドラゴン・スリーパー。
えりりんロック：相手の腕を取って体勢をひっくり返し、クルスフィックスホールドの形で極めるオリジナルの関節技。
カスティゴアルクェヨ：ビクトル投げのような体勢から、さらに相手の首も同時に決めにいく複合技。
えりりんカッター：プロレス技における「STO（Shouten Tajiri Original）」と同型の技。

タイトル歴

JWP認定ジュニア王座

入場テーマ曲

「For the Heroes」（春畑道哉）
* 「ライク・ア・ヴァージン」（マドンナ） - ラウンドガール名義で使用。

脚注・出典に関する情報は省略します。

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