渡辺剛二

渡辺剛二について

渡辺剛二（わたなべごうじ、1886年9月24日 - 1959年7月11日）は、日本の実業家であり医師として知られています。彼は特に宇部興産（現在のUBE）の初代会長としての功績で有名です。

生い立ちと教育

彼は1886年に山口県厚狭郡宇部村（現在の宇部市）で生まれました。父親は沖ノ山炭坑の創業者であり、渡辺剛二はその次男として成長しました。幼少期からの環境は、後の医学および実業への興味を育む土壌となりました。

熊本医学専門学校を経て、京都帝国大学医学部を卒業し医学の道を進んだ彼は、父の創業した沖ノ山炭鉱において医局の設立にも関与しました。この経験が彼の後の実業家としてのキャリアにとって大きな基盤となります。

宇部興産の創設と役割

1934年、父親の渡辺祐策が死去したことを受けて、剛二は沖ノ山炭坑の社長のポジションを引き継ぎました。彼のリーダーシップのもと、1942年に宇部興産が設立され、剛二は同社の社長として重要な役割を果たしました。

また、彼は山口県議会の議長や山口県医師会長も兼任し、地域社会に貢献する姿勢を示しました。さらに、山口県立医学専門学校、現在の山口大学医学部の設立にも尽力し、医学教育の発展に寄与しました。

晩年と遺産

1959年7月11日に彼は72歳でこの世を去りました。剛二の死後、同年10月には彼の遺言により、科学技術の振興と有能な人材の育成を目的とする「渡辺記念学術奨励会」が設立されました。これは宇部興産の29万株の株式と現金100万円を基に設立されたもので、現在はUBE学術振興財団と名を変え続いています。

家族について

渡辺剛二は、妻フミコとの間に三女をもうけましたが、フミコは30歳で亡くなりました。その後、三宅宗悦の姉であり、俳人でもあった柔子（なりこ）と再婚します。柔子は『ホトトギス』の同人でもあり、宇部市の俳句会で重要な役割を果たしました。医師の家庭で育った柔子は、義父である祐策の看病を通じて献身的な看護を行い、最後を見届けました。

剛二の家族には他にも、彼の父である渡辺祐策（沖ノ山炭坑の創業者であり、元衆議院議員）、長男の渡辺浩策（元宇部興産中央病院長）、孫の渡辺裕志（元宇部興産機械常務）などがいます。

まとめ

渡辺剛二は医学と実業の両分野で顕著な影響を及ぼした人物であり、彼の業績は地域社会に大きな貢献をしてきました。彼の遺産は今もなお、宇部興産を通じて生き続けています。

もう一度検索