渡辺孝博

渡辺孝博 (わたなべ たかひろ)

1946年7月21日、東京都立川市生まれの渡辺孝博は、ヤクルトアトムズ及び後のヤクルトスワローズに所属した元プロ野球選手です。ポジションは投手で、特にアンダースロー投球フォームが特徴です。彼の野球キャリアは、高校や大学の段階から際立っており、その後のプロ生活においても印象深い成績を残しました。

プロ入り前の経歴

渡辺は東京都立八王子工業高等学校を卒業後、1965年に東海大学に進学しました。大学時代には、首都大学野球リーグで活躍し、同学年の上田二郎投手と共にチームを牽引しました。彼は在学中に通算40試合に登板し、26勝3敗、そして防御率0.86という好成績を収めました。また、223奪三振を記録し、最高殊勲選手や最優秀投手としても数回選ばれています。

更に、彼の大学4年時の1968年には明治維新百年記念明治神宮野球大会に参加し、首都大学選抜のエースとして出場しました。準決勝での勝利は記憶に残る瞬間で、その後の決勝戦ではチームメイトの上田が完封勝利を手にしました。卒業後は日立製作所にエンジニアとして入社し、社内の硬式野球部でもエースとしての活躍を見せました。

プロとしてのキャリア

1972年、渡辺はヤクルトアトムズからの指名を受けてプロ入りを果たします。彼の初登板は4月13日の中日ドラゴンズ戦で、以降も中日の試合で先発を果たし、初勝利を完封勝利で飾りました。この試合において、彼は東京都立高校出身の投手として、中日ドラゴンズの井手峻に続く快挙を達成したのです。

1973年には先発ローテーションの一員として定着し、自己最高の8勝をマークしましたが、1974年は結果がついてこず、1勝8敗という成績で苦しいシーズンを送ります。1975年は再び調子を取り戻し、6勝2セーブの成績を残しました。1977年まで現役を続け、その後は東京ヤクルトスワローズが運営するジュニアチームのコーチとして若い選手たちを指導する道を選びました。

選手としてのスタイル

渡辺の投球スタイルは、アンダースローから放たれる多彩な変化球が特徴でした。スライダー、シュート、カーブ、そしてチェンジアップなどを駆使し、冷静沈着な投球術が持ち味でした。プロ通算では24勝を挙げながらも、防御率は全体で4点台に近く、特筆すべきは完封勝利を5度記録している点です。彼のスタイルは、渡辺より2年早く阪神タイガースに入団した上田二郎と似通っており、両者の活躍はNPBにおけるアンダースローの投手像を確立したことでしょう。

総括

渡辺孝博は野球界において特異な存在として認識され、多くのファンに支持されてきました。彼の投球スタイルは後輩選手にも影響を与え、今後も彼が築いた軌跡は語り継がれていくことでしょう。

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