渡辺捷昭

渡辺捷昭

概要

渡辺捷昭（わたなべ かつあき）は、1942年2月13日生まれの実業家です。トヨタ自動車株式会社の第5代代表取締役社長を務め、同社を世界的な自動車メーカーへと成長させる上で重要な役割を果たしました。三重県四日市市で生まれ、愛知県立岡崎高等学校、慶應義塾大学経済学部を卒業後、1964年にトヨタ自動車工業株式会社（現在のトヨタ自動車）に入社しました。

トヨタ自動車では、調達部門や経営企画部門を経て、1992年に取締役に就任。その後、元町工場長、アメリカおよびヨーロッパの現地法人取締役などを歴任し、2001年に副社長に昇格しました。2005年には代表取締役社長に就任し、2009年に副会長、2011年には相談役となりました。2018年には相談役を退任しています。

社長在任中は、海外販路の拡大を積極的に推進し、2007年にはトヨタグループの世界年間販売台数が過去最高の936万台を達成しました。また、2008年には、リーマン・ショックの影響で世界的な販売台数が落ち込む中、GMを抜いて初めて世界一となりました。しかし、その一方で、行き過ぎたコスト削減と利益追求が品質低下を招き、大規模リコール問題が発生しました。この責任を取り、渡辺氏は会長に就任することなく、相談役として退任することとなりました。

トヨタ自動車以外にも、一般財団法人道路新産業開発機構会長、一般財団法人道路システム高度化推進機構理事長、一般社団法人次世代放送推進フォーラム名誉会長、公益財団法人長寿科学振興財団会長、一般社団法人日本経済団体連合会副会長など、多くの団体の役員を歴任しました。

来歴・人物

慶應義塾大学在学中は、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団に所属していました。トヨタ自動車入社後は、調達部門や経営企画部門を担当し、1992年に取締役に就任しました。その後、元町工場長や海外事業体の取締役を経験し、2001年に副社長に就任しました。2000年からは、原価低減活動を推進し、3年間で主要部品のコストを約30%削減したと言われています。

2005年6月に代表取締役社長に就任すると、奥田碩社長時代からの海外販路拡大路線を継承し、トヨタ自動車を世界一の自動車メーカーへと導きました。しかし、大規模リコール問題の責任を取り、2011年に相談役として退任しました。この背景には、豊田章男氏への社長交代を急ぎたい豊田章一郎名誉会長の意向があったと報道されています。

その後も、長寿科学振興財団会長、道路交通情報通信システムセンター理事長、日本経済団体連合会副会長、首都高速株式会社取締役会長など、多くの役職を歴任しました。

渡辺氏の信条は、「明るく、楽しく、元気よく」「愚直に、地道に、徹底的に」であり、趣味は音楽鑑賞やスポーツ観戦です。また、米タイム誌の「最も影響力のある人物100人」に2005年と2007年に選出されました。

新入社員時代には、社員食堂の改善を命じられた際、残飯を分析して現場の人々を驚かせたり、総合企画部の意識・組織改善を行うなど、その手腕を発揮しました。

その他

米タイム誌の「最も影響力のある人物100人」に2005年と2007年に選出
新入社員時代に社員食堂の改善を命じられた際、残飯の分析を行った
* 総合企画部の意識・組織改善を行った

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