渡辺武夫

渡辺 武夫（わたなべ たけお）

渡辺武夫は、1916年7月2日に東京都墨田区で生まれ、埼玉県浦和町（現在のさいたま市）で育った洋画家です。彼の芸術活動は長きにわたり、日本美術界に大きな影響を与えました。日本芸術院の会員としても活躍し、浦和画家の一人として名を馳せ、瑞宝章を受賞するなど多数の栄誉に輝きました。

人物

武夫は、埼玉県師範学校附属小学校から旧制浦和中学校に通い、そこで画家になる決意を固めました。その後、東京美術学校に進学し、南薫造の教室で級長を務めながらも、寺内萬治郎からも多くの指導を受けました。彼は25歳で光風会賞と新文展特選を同時に受賞し、若くしてその地位を確立しました。特に寺内からの影響を受けた人物画での才能が際立ちましたが、昭和30年以降は風景画に興味を移し、これが彼の作品の新たな方向性となりました。

また、武夫は師の弟子たちが集う武蔵野会や与野会に関わり、日展の理事を務めたり、埼玉県美術家協会の会長も務めるなど、地域の美術界でも重要な役割を果たしました。1999年には浦和市の名誉市民に選ばれ、その業績が認められました。

経歴

• - 1916年7月2日: 東京都墨田区で誕生。
• - 1941年: 第四回新文展に「老図書館長Tさんの像」を出品し、特選を受賞。
• - 1955年: 渡欧し、パリのグラン・ショミエールで学ぶ。この経験が人物画から風景画へと転向する契機となる。
• - 1973年: 日展で「カーニュ好日」が内閣総理大臣賞を受賞。
• - 1985年: 日展理事として活動し、「シャンパァニュの丘」で日本芸術院賞を受賞。浦和市文化栄誉賞を獲得。
• - 1987年: 勲四等旭日小綬章を受章。
• - 1988年: 日本芸術院の会員となる。
• - 1990年: 埼玉県美術家協会の会長に就任。
• - 1998年: 勲三等瑞宝章を受章。
• - 1999年: 浦和市の名誉市民となり、光風会の名誉会長にも就任。
• - 2003年: 9月11日に死去。

作品

渡辺武夫の代表作には「老図書館長Tさんの像」があり、現在は埼玉県立近代美術館に所蔵されています。彼の作品はどれも独自のスタイルがあり、特に風景画においてその魅力が顕著です。

まとめ

渡辺武夫の芸術は、埼玉県及び日本全体の美術界に多大な影響を与え続けています。彼の作品や活動は、これからも多くのアーティストに影響を与え続けるでしょう。彼の生涯は、芸術の可能性を広げた人の軌跡であり、今なお多くの人々に感動を与えています。

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