南薫造

南 薫造について

南 薫造（みなみ くんぞう）は、1883年7月21日に広島県賀茂郡内海町（現呉市安浦町）に生まれました。彼は医師の息子として育ち、才能を早くから発揮し、各種美術展で活躍していきました。特に、東京美術学校西洋画科を卒業し、1907年から1910年にかけてイギリスでの留学経験が彼のスタイルに大きな影響を与えました。

彼は画家としてだけでなく、教授としても多方面で貢献し、そのキャリアの中で多くの作品を残しました。彼は油画と水彩画の技術に定評があり、また版画にも取り組んでいました。特に、彼が描いた瀬戸内海の風景は彼の晩年のテーマとして深く結びついており、自身の故郷に対する愛情が作品に表れています。

略歴

• - 1883年:広島県内海町に生まれる。
• - 1902年:安浦町立内海小学校を経て、広島県立第一中学を卒業し、東京美術学校に入学。ここでは岡田三郎助に師事しました。
• - 1905年:白馬会展に入選。
• - 1907年:イギリスに留学し、ボロー・ジョンソンのもとで技術を学んだ。
• - 1909年:フランス、イタリア、ドイツ、オランダ、アメリカを旅行し、広範な文化と芸術に触れる。
• - 1910年:帰国後、有島生馬とともに滞欧記念展を開催。白馬会展にて水彩画9点を発表し、第四回文展で《坐せる女》が三等賞を受賞。
• - 1911年:第五回文展で《瓦焼き》により二等賞を獲得。
• - 1912年:《六月の日》で第六回文展二等賞を受賞。
• - 1913年:日本水彩画会の創立に参加。
• - 1916年:文展の審査員に任命される。
• - 1929年:帝国美術院の会員となる。
• - 1932年〜43年:東京美術学校の教授として教壇に立つ。
• - 1939年:従軍画家として中国大陸に渡る。
• - 1944年:帝室技芸員に選ばれ、戦時中は広島県に疎開。
• - 1950年:再度上京せずに死去。墓所は多磨霊園にあります。

代表作品と遺産

南薫造の作品は数多く、特に瀬戸内海の風景画が評価されています。彼の絵は、自然の美しさと地域への深い理解を示しています。1985年には、故郷の呉市安浦町に『南薫造記念館（安浦歴史民俗資料館）』が設立され、彼の作品や歴史を後世に伝えています。彼の生涯と業績は、今もなお多くの人々に親しまれ、学ばれています。

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