渡辺直彦

渡辺直彦（わたなべ なおひこ）は、1931年11月10日に広島県で生まれ、2002年5月14日に脳梗塞のため亡くなった日本の歴史学者です。東京大学史料編纂所教授として、日本古代史の研究に尽力しました。文学博士の学位を持ち、その研究は日本の歴史学界に多大な貢献をしました。

人物

渡辺直彦は、1958年に國學院大學文学部史学科を卒業後、1963年に同大学大学院文学研究科を単位取得しました。その後、國學院大學文学部助手を務めましたが、同年中に東京大学史料編纂所に転任しました。東京大学史料編纂所では、1979年に助教授、1982年に教授へと昇進し、『大日本史料』第2編の編修に携わりました。1985年に史料編纂所を退職後は、駒澤大学文学部教授として教鞭をとり、1996年に退職するまで後進の育成に尽力しました。

専門は日本古代史であり、特に官位制度の研究で著名です。1973年には、主著である『日本古代官位制度の基礎的研究』によって國學院大學から文学博士の学位を授与され、また三矢博士記念賞を受賞しました。この研究は、当時の官位制度の解明に大きく貢献しました。

また、渡辺直彦は、平安時代の古記録や儀式書の校訂にも力を注ぎました。その校訂作業は、日本の古代史研究における重要な基礎資料の整備に大きく貢献しました。彼の業績は、後世の歴史研究者にとって不可欠なものとなっています。

主な著書と編著、校訂

『日本古代官位制度の基礎的研究』 吉川弘文館、1972年（1978年増訂版）
『古代史論叢』 続群書類従完成会、1994年
『史料纂集 権記』1-3 続群書類従完成会、1978年-
『神道大系 儀式・内裏式』 神道大系編纂会、1980年
『神道大系 江家次第』 神道大系編纂会、1991年
『続神道大系 侍中群要』 神道大系編纂会、1998年

渡辺直彦は、その研究活動を通じて、日本の古代史研究の発展に大きく貢献した歴史学者の一人です。彼の研究成果は、今日でも多くの研究者によって引用され、参照されています。彼の業績は、日本の歴史学研究において、今後も重要な遺産として受け継がれていくでしょう。

もう一度検索