渡辺脩

渡辺脩

渡辺脩（わたなべ おさむ）は、1933年生まれの日本の弁護士であり、東京弁護士会に所属しています。一橋大学社会学部を卒業後、1961年に弁護士登録を行い、横山昭二氏と同期です。

人物

渡辺氏は、長年にわたり数多くの刑事事件の弁護活動に従事してきました。青梅事件、辰野事件、仁保事件といった著名な事件で無罪判決を勝ち取るなど、刑事弁護の分野で重要な役割を果たしてきました。

日本弁護士連合会（日弁連）では、「刑法『改正』阻止実行委員会」の事務局長・副委員長を歴任し、「弁護人抜き裁判」特例法案阻止対策本部では事務局次長を務めました。また、国家秘密等情報問題対策委員会委員長、日弁連刑事法制委員会副委員長など、要職を歴任し、日本の刑事司法制度の発展に貢献しました。

1995年から2004年2月の最終判決まで、オウム真理教の麻原彰晃被告の国選弁護人として弁護団の団長を務めました。この裁判では、最後の被告人質問で「弁護人はすべて、あなたを優れた宗教家であると認めているから質問している。そうでないとこんな質問はしない！」と述べたことが広く知られています。この発言は、弁護人としての役割と、被告人に対する深い理解を示したものとして注目を集めました。

著書

渡辺脩は、弁護士としての活動と並行して、著作活動も行っています。

『刑事弁護雑記帳』 日本評論社 (1998)
『麻原裁判の法廷から』 晩聲社 (1998)　和多田進との共著（対談本）
『麻原を死刑にしてそれで済むのか』 三五館 (2004)

これらの著書では、刑事弁護の実践や、オウム真理教事件の裁判を通じて得た考察が述べられています。特に『麻原を死刑にしてそれで済むのか』では、裁判の過程で感じた問題点や、死刑制度に対する深い問いかけがなされており、社会的な議論を喚起しました。

参考文献

渡辺脩 『麻原を死刑にしてそれで済むのか』 三五館 (2004)

渡辺脩は、その豊富な経験と深い洞察力で、日本の刑事司法の発展に貢献した弁護士として、広く知られています。

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