渡辺達生

渡辺達生：日本を代表するカメラマンの軌跡

渡辺達生（わたなべ たつお）は、1949年1月20日に山梨県山梨市で生まれた日本のカメラマンであり、主にグラビア写真の分野で活躍している。彼は「写真家」として括られることを好まず、自らの職業を「職業カメラマン」と位置づけている。

経歴と影響

小学校時代から写真に興味を持ち、父親の影響で写真部に入部した。家族との東京への転居を経て、1972年に成蹊大学経済学部を卒業。卒業後は、サンケイ出版でアルバイトをしつつ、独学で写真技術を磨いた。著名なカメラマンに師事することはなかったが、この独自の道を選んだことが、彼の個性やスタイルを形成する要素となった。

大学時代の同級生には、カシオペアのベーシストであり、現東京音楽大学の客員教授でもある鳴瀬喜博がいる。フリーカメラマンとしてキャリアをスタートし、小学館が発行する週刊誌『GORO』のグラビアで篠山紀信と共に看板カメラマンとして認知されるようになった。彼が手がけた『素足のアイドルたち』という写真集は、1980年代のアイドルグラビアを代表する存在となり、多くの人気アイドルの写真集を手掛けるなど、業績を重ねていく。

特に1989年に発表した写真集『My Dear Stephanie』では、武田久美子の大胆な貝殻ビキニ姿を捉え、話題となった。この作品は彼の代表作のひとつとされており、JALの沖縄キャンペーンなどでも活躍、後に女優となるアイドルも数多く撮影した。こうした活躍により、女性専科のカメラマンとして、日本のトップレベルの地位を確立する。

趣味とアシスタント

渡辺の趣味はゴルフやクルマ、猫と多彩であり、プライベートでも人々に親しまれている。アシスタントには松田麻樹や三輪憲亮、矢西誠二などが名を連ね、彼らも雑誌やその他のメディアでプロカメラマンとして活躍を見せている。渡辺が育てた弟子たちは、相次いで出世を果たすことからも、彼の影響力の大きさが伺える。

1995年から2013年にかけては、小学館の『週刊ポスト』の表紙カメラマンを担当し、その時代を彩る女優たちを撮影し続ける。

主な作品

彼が手掛けた写真集は非常に多岐にわたる。2000年以前の作品には、斉藤由貴や堀江しのぶ、渡辺満里奈、武田久美子など、多くの著名人の写真集が含まれ、幅広いジャンルのアイドルや女優を捉えてきた。2000年代や2010年代にも、川島海荷や渡辺麻友、鞘師里保など新旧のアイドルの作品をリリースし、常にトレンドを捉えた写真を提供している。

最近では2016年の写真集『渡辺家 素顔のアイドルたち1974-2016』や、初代アシスタントから最新のアシスタントまでが対談した作品なども発表し、その活動は今もなお続いている。渡辺自身が「先生」と呼ばれることを嫌がる一方、彼の教育と支援を受けたアシスタントたちが各所で活躍しているのは、彼の人柄とプロフェッショナリズムの賜物といえるだろう。

メディア出演

2016年には、テレビ番組『情熱大陸』で特集が組まれ、渡辺達生の独自の視点や仕事のスタイルを深く掘り下げた。

渡辺達生の作品は、ただの写真以上のストーリーを語りかけ、多くの人々に影響を与え続けている。

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