渡邊博史

渡邊 博史 (わたなべ ひろし) のプロフィール

渡邊博史は、1949年6月26日に東京都文京区に生まれた日本の財務官僚かつ経済学者で、国際金融環境論を専門としている。経済学修士の学位は、1975年にブラウン大学で取得し、現在は公益財団法人国際通貨研究所の理事長を務めている。彼は、財務省に長年所属し、国際金融の分野で豊富な経験を持つことで知られている。また、血液型はA型である。

経歴

渡邊は1968年に東京教育大学附属中学校・高等学校（現在の筑波大学附属中学校・高等学校）を卒業後、東京大学に進学した。大学1〜2年次には学園紛争により多くの授業が開講されず、政治学や日本思想史に関心を寄せて学んだ。1971年には司法試験に合格し、1972年に東京大学法学部を卒業した後、大蔵省に入省。彼の同期には、津田広喜や木村幸俊などがいる。

大蔵省では主税局を中心にキャリアを重ねた後、1975年にブラウン大学で修士号を取得した。国際局次長や国際局長を経て、2004年に財務官に就任し、2007年までその職務にあった。退職後は国際金融情報センターの顧問となり、研究活動に従事。2008年からは国際協力銀行の経営責任者として、2013年にはその総裁に就任した。2016年には国際通貨研究所の理事長に就任している。

日本銀行副総裁候補

渡邊は2007年から日本銀行の副総裁候補として名前が挙がることが多く、当時の民主党幹事長、鳩山由紀夫もその能力を評価していた。また、内閣総理大臣福田康夫も彼を副総裁にふさわしいと発言しており、2008年4月に正式に候補として提示された。しかし、政治的な対立により、彼は副総裁に就任することができなかった。

候補としての所信聴取では、多くの出席者から拍手が起こり、高い評価を得ていたが、最終的には与党だけでなく民主党からも反対意見が出て、不同意に至った。民主党内部でも賛成する声が多かったにもかかわらず、内部意見の対立が影響し、彼の人事案は成立しなかった。

政策と人物

渡邊は、財務官として市場重視の立場を貫き、為替介入については慎重な姿勢を示している。彼は、これまで一度も為替介入を行わず、逆に市場の自律性を重んじる姿勢が「市場重視派」として評価されている。また、国際金融市場に関する知識やネットワークも豊富で、温厚な国際経済通として知られている。

趣味や著作

趣味は読書であり、特にミステリー小説を愛好している。国際経験を基にした研究書も多く、特に「ミステリで知る世界120ヵ国」は異色の著作として著名である。彼の著作には、財政や国際金融に関するものが多く、学術界にも影響を与え続けている。

まとめると、渡邊博史は日本の経済政策や国際金融において重要な役割を果たしてきた人物で、その影響は多岐にわたっている。

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