渤海船舶重工

渤海船舶重工有限責任公司について

渤海船舶重工有限責任公司は、中華人民共和国の葫芦島市、竜港区に拠点を置く造船会社で、国有の持株会社である中国船舶重工集団公司的傘下にあります。この会社は、主に高性能な軍艦や商船の建造を行っており、中国における造船業の中でも重要な役割を果たしています。

設立と歴史

会社は1954年に「遼寧渤海造船廠」として設立され、その後数十年にわたり国営の造船所として成長してきました。中ソ対立が起こった時期には、ロメオ型潜水艦の建造を行い、90年代には035型の改良版を製造しました。さらに、中国初の原子力潜水艦である091型および弾道ミサイル原子力潜水艦の092型を手掛けたことにより、中国の海軍力向上に大きく貢献しました。以降、この造船所は中国が開発した全ての原子力潜水艦の建造を手がけるようになりました。

商船の建造

軍事艦船に加え、商船の建造も行っており、けれども外国船舶の修繕業務は制約があります。萌芦島港に停泊する外国船には許可が限られており、新造船のみの受注となることがほとんどです。とはいえ、同社の造修船能力は高く、国内有数の建造量を誇っています。特に、シンクロリフトとトラバーサーを設備し最大7隻の同時造修が可能な中国最大面積の7スパン屋内船台を持っています。2020年の建造量は1,769,700DWTに達し、市場シェアは国内で4位となっています。

沿革

1994年、同社は中国新時代品質体系認証センターからISO9002の認証を受け、1996年には葫芦島渤海造船輸出入有限公司を設立しました。1999年には全国造船廠が分割し、遼寧渤海造船廠は中国船舶重工集団公司の一部となりました。2001年には「渤海船舶重工有限責任公司」に商号を変更し、国有企業の域を広げました。また、同年には中国遠洋運輸集団総会社に向けてプロダクトタンカーの建造を開始しました。

経営構造と今後の展望

現在、渤海船舶重工有限責任公司は、葫芦島渤海造船輸出入有限公司や渤海機械工程有限公司といった子会社を持ち、多方面にわたって業務を展開しています。会社の製造能力や技術力は業界でも高く評価されており、今後もさらに質の高い製品を作り出すことが期待されています。軍事と商業の両方の分野での成長を目指し、国際市場でのプレゼンスも高めていく方針です。

このように、渤海船舶重工有限責任公司は中国の造船業界において独自の地位を築き上げており、その事業展開は国内外で注目を集めています。

もう一度検索