葫芦島市

葫芦島市の概要

葫芦島市（ころとうし）は、中華人民共和国遼寧省の南西部に位置する地級市であり、重要な港湾都市として知られています。この地域は中国の交通網の要所であり、特に遼西回廊と呼ばれる東北部と華北を結ぶ経路にあります。また、過去には満洲から日本への引揚船の出発地としても有名でした。葫芦島は1994年に錦西市から変更された名前であり、歴史的にも興味深い背景を持っています。

地理的特徴

葫芦島市は東経120度38分、北緯40度56分という位置にあり、遼寧省の西端に存在しています。北側には朝陽市、東側には錦州市、西側には河北[[省]]の秦皇島市があり、南側は渤海（遼東湾）に面しています。そのため、環渤海経済圏における重要な一部を形成しています。また、葫芦島は大陸性気候であり、年間平均降水量は550～650mm、年平均気温は8.5～9.5℃という特徴があります。

歴史

葫芦島地区は古代において燕や秦などの支配を受けてきました。特に、遼代の990年に史書に登場する興城は、この地域の最古の町と言われています。葫芦島自体はかつて壺蘆島とも呼ばれ、1906年には江家屯撫民庁が設置され、その後1913年に錦西県へと改名されました。経済発展は張学良の港湾建設や鉄道網の拡充によって加速しました。

1932年、満洲国が成立するとこの地域はその版図に編入され、継続的に発展を遂げますが、従来の日本の陸軍工場の設置などが見られました。満洲国崩壊後の1946年、帰還を希望する日本人居留民が多く葫芦島から引揚船に乗って日本へ向かいました。この場所には「日本僑俘遣返之地」の記念碑が今でも存在しています。

1945年、葫芦島は遼西省の管轄下に置かれ、その後国共内戦の影響を受け、中国共産党軍による制圧が行われました。1954年、遼西及び遼東両省が合併され、葫芦島は遼寧省の管轄となります。1985年には錦西県が県級市に昇格し、1989年には地級市に昇格して、1994年に現在の葫芦島市に改名されました。

行政区画

現在の葫芦島市は、3つの市轄区（竜港区、連山区、南票区）と1つの県級市（興城市）、2つの県（綏中県、建昌県）を管轄しています。

経済発展

葫芦島市は環渤海経済圏の一部として外資誘致に力を入れており、地下資源が豊富で鉱業が盛んです。特に鉛、亜[[鉛]]、銅、モリブデンなどが産出され、石油化学工業や金属工業も発展しています。また、中国最大級の造船所である渤海造船廠もここにあり、軍事的にも重要な役割を果たしています。

交通と観光

葫芦島市は京哈鉄道沿線にあり、各種高速道路や港も存在します。また、観光地としては万里の長城の一部や、歴史的な城郭都市である興城市が有名です。海岸地帯にはビーチリゾートも点在し、観光収入も期待されています。

葫芦島市はその歴史、経済、観光リソースが絶妙に組み合わさり、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

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