渥美マリ

渥美マリの歩み

渥美マリ（本名：渥美まり恵）は、日本の元女優であり、1940年代から1970年代にかけて映画界で華々しいキャリアを築きました。彼女は1950年11月20日に東京都目黒区自由ヶ丘に生まれ、父は大映第2期ニューフェイスの渥美進、母は大映女優の若宮れいこという芸能一家に育ちました。兄には元俳優の渥美史朗がいます。

幼少期と芸能界入り

幼少期からバレエを学び、小学校時代には健康優良児として表彰されるほどの健康を誇っていました。高校2年生の1967年、大映東京撮影所の演技研究所に入所。その後、高校を中退し、1968年には大映専属女優となります。最初は両親に映画界入りを反対されたものの、彼女は自身の意志で俳優の道を進むことを決意しました。

デビュー作は『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』で、ボーイスカウトの指導員役を演じました。デビュー当初、清純な役よりも汚れ役をやりたいという意欲を持っていました。この時期、彼女は南美川洋子らとともに「ハレンチ・グループ」として展開し、特に『いそぎんちゃく』での活躍が評価されました。彼女は、経営難に陥った大映にとっての救世主的存在となりました。

キャリアの高峰とその後

しかし、渥美は徐々にヌードに対する抵抗を示し始め、他の新人にその役がまわることもありました。大映が1971年に倒産した後は、改名して「渥美まり恵」として松竹からのオファーを受けましたが、脱がされることを拒否したために仕事が減少しました。この時期の雇用条件に悩む彼女の奇矯な行動が、芸能界で噂されることが多くなりました。

1973年には東映からも注目を浴び、映画『非情学園ワル』や『ボディガード牙』などに出演しました。しかし、再び開放的な役柄への拒絶感から、仕事は次第に減少していきました。1975年、彼女は「渥美まり恵」名義で復帰し『愛のかわき』をリリース。その後、1976年にはドラマ『江戸を斬るII』に出演しましたが、印象的な復活とはならず、彼女の出演作は限られていきました。

私生活の波乱

1978年には睡眠薬の大量摂取によって自殺未遂を起こし、過去の交際相手である元俳優の酒井修が彼女の心理状態について言及しました。彼女は後輩や自身の代役がスターになっていくことに対する嫉妬と焦りを抱えていたと言われています。

引退後の活動

引退後は公の場から遠ざかり、ほとんどメディアに登場することはなく、彼女のその後の生活や精神的健康については詳細が不明のままとなっています。渥美マリの波乱に満ちた俳優人生は、映画ファンにとっても興味深いテーマであることに間違いありません。

彼女の映画キャリアには数々のタイトルがあり、特に1960年代から70年代にかけた作品は多くのファンの記憶に残っています。彼女の人生からは、芸能界の厳しさや人間関係の複雑さも垣間見ることができます。

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