渥美清太郎

渥美清太郎（あつみ せいたろう）

渥美清太郎（1892年9月9日 - 1959年8月20日）は、日本の演劇研究者、評論家として知られています。鈍太郎、今谷久平という筆名も使用していました。

生涯

渥美清太郎は、1892年（明治25年）に東京市下谷区（現在の東京都台東区下谷）七軒町で生まれました。幼い頃から演劇や歌舞伎などの芝居に強い興味を持ち、独学で脚本や資料を研究する熱心さを持っていました。郁文館中学校を卒業後、青山学院高等部に在学しながら、上野図書館（現在の国際子ども図書館）に勤務しました。

1911年（明治44年）には演芸画報社に入社し、雑誌『演芸画報』の編纂に携わりました。この雑誌は1943年（昭和18年）に廃刊となりましたが、その後、渥美は後継誌である『演劇界』の編纂にも関わりました。戦後は、歌舞伎、日本舞踊、琴や尺八などの邦楽の研究に力を注ぎ、数多くの著書や辞典を世に送り出しました。

業績

渥美清太郎は、日本の伝統芸能、特に歌舞伎、日本舞踊、邦楽に関する研究において、多大な貢献をしました。彼の著作は、これらの分野の研究者や愛好家にとって貴重な資料となっています。詳細な調査と分析に基づいた彼の研究は、日本の演劇史や芸能史を深く理解する上で欠かせないものとなっています。

主な著書

『歌舞伎狂言往来』 (1951年)
『日本舞踊史』 (1958年)
『歌舞伎脚本傑作集』 (1921年 - 1923年) - 坪内逍遥との共編。全12巻。
『日本演劇辞典』 (1944年)
『邦楽舞踊事典』 (1956年)
『大南北全集』 (1925年 - 1928年) - 全17巻。

これらの著書は、渥美清太郎の研究の集大成であり、日本の演劇や芸能に関する深い知識と情熱が込められています。彼の功績は、日本の伝統文化を後世に伝える上で重要な役割を果たしています。

外部リンク

* 渥美清太郎 - Artwiki（立命館大学）

もう一度検索