温成皇后

温成皇后（おんせいこうごう）

温成皇后（1024年 - 1054年）は、北宋の第4代皇帝、仁宗の寵妃であり、死後に皇后を追贈された人物です。姓は張氏。

生涯

河南府永安県出身。進士である張堯封と妻の曹氏の娘として生まれました。彼女の伯父である張堯佐の娘は、後の英宗の妃嬪である張修容です。

幼い頃から美しく魅力的な性格で知られていました。8歳の時に父を亡くし、伯父の張堯佐に扶養を拒否されたため、母の曹氏は彼女を売り、その後蹇氏と再婚しました。その後、斉国大長公主の許で歌舞女となり、その美貌と才能が仁宗の目に留まり、寵愛を受けるようになりました。清河郡君に封ぜられ、その後、才人、修媛と位を上げました。3人の女子を産みましたが、いずれも夭折しています。

1048年、宮中の衛兵が反乱を起こした際、曹皇后の働きによって鎮圧されました。しかし、仁宗は曹皇后に疑念を抱き、その功績を張氏に帰したため、彼女は貴妃に進みました。これにより、張氏はさらに仁宗の寵愛を一身に集めるようになり、皇后と同等の待遇を受け、一族も官爵を授けられました。

1054年正月、張氏は亡くなりました。仁宗はその死を深く悲しみ、皇后を追贈して「温成」と諡（おくりな）を贈り、手厚く葬りました。彼女の先祖3代も温成皇后陵に合葬されました。

子供

荘順帝姫
荘定帝姫
荘慎帝姫

エピソード

北宋時代、翰林学士たちは皇帝、皇后、妃嬪に新年の挨拶として「新春貼子」（年賀詩）を献上する習慣がありました。1054年の新春、温成皇后が亡くなったため、学士たちは年賀詩を献上しませんでした。仁宗はそれを不快に感じました。そこで欧陽脩が即座に詩を作り、「昔聞海上有仙山、煙鎖楼台日月間。花似玉容長不老、只応春色勝人間」（昔、海上に仙山ありと聞く、煙は楼台を鎖し日月はその間にある。花は玉の如き容に似て長く老いず、ただ春色のみが人間よりも優れている）と詠み、仁宗を喜ばせました。

参考文献

『皇宋十朝綱要』
『宋史』
『宋会要輯稿』

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