湯ノ岱温泉 (秋田県)

湯ノ岱温泉

湯ノ岱温泉（ゆのたいおんせん）は、秋田県北秋田市小森に位置する温泉地です。旧出羽国、明治以降は羽後国に属していました。

泉質

湯ノ岱温泉の泉質は以下の通りです。

含食塩石膏泉
源泉温度: 37.8℃
湧出量: 毎分43リットル
比重: 1.0015

イオン成分

陽イオン: カリウム 5.2mg/kg, ナトリウム 264.3mg/kg, カルシウム 224.7mg/kg, マグネシウム 4.8mg/kg, 亜鉛 1.1mg/kg, アルミニウム 0.7mg/kg
陰イオン: 塩素 166.8mg/kg, フッ素 2.2mg/kg, 硫酸 810.4mg/kg, 炭酸水素 125.1mg/kg, メタホウ酸 0.3mg/kg, 炭酸 0.3mg/kg

温泉街

国道285号線沿いに温泉地が広がっています。温泉施設としては、共同浴場の「湯の岱温泉湯治場」があり、地域の人々や観光客に親しまれています。また、湯治場から東へ約500メートルの場所には、入浴施設「長寿温泉」も存在します。

歴史

1802年（享和2年）に菅江真澄がこの地を訪れた記録がありますが、当時はまだ温泉は確認されていませんでした。雪の中で雉を狩る人々の様子が記録されています。

温泉の発見時期は明確ではありませんが、言い伝えによると、享保年間に治右衛門という人物が移住し、入浴を始めたのが起源とされています。明治時代には、源泉は河畔の山麓の岩間から湧出しており、当時は摂氏20℃程度の冷泉だったと伝えられています。

1945年頃までは、土用の丑の日に湯治を行う習慣がありました。1976年には、新たな源泉を探すためにボーリング調査が行われ、地下480メートルから38℃、毎分120リットルの自噴が確認されました。この源泉を利用した温泉施設が1979年にオープンしました。

伝承

十二所の薬師様が阿仁からの帰路、湯の岱に立ち寄った際、多くの人々が湯治を行っていました。薬師様は湯の岱の薬師様に分湯を依頼し、卵に種湯を詰め、ススキで包んで十二所へ帰ろうとしました。しかし、大滝の川端で足を滑らせて卵を落としてしまいます。数日後、その場所を訪れると、ススキが生えている傍らからお湯が湧き出ていました。また、十二所の薬師様は湯の岱の湯の傍らに桂の杖を突いてきましたが、その杖が根付き、桂の木になったと伝えられています。このことから、湯の岱温泉を「桂の湯」、大滝温泉を「ススキの湯」と呼ぶようになったと言われています。

禁忌症

特になし

適応症

浴用: リウマチ、動脈硬化、高血圧、創傷
飲用: 慢性便秘、慢性肝道疾患、じんま疹、肥満症

アクセス

鉄道: 奥羽本線および秋田内陸縦貫鉄道 秋田内陸線鷹ノ巣駅（鷹巣駅）より秋北バスで約25分。

関連項目

湯ノ岱温泉 (曖昧さ回避))

もう一度検索