秋田内陸縦貫鉄道

秋田内陸縦貫鉄道株式会社

秋田内陸縦貫鉄道株式会社は、秋田県北秋田市に本社を置き、同県内で秋田内陸線を運営する第三セクターの鉄道会社です。1984年に設立され、主に地域の交通の便を図ることを目的としています。

概要

同社は日本国有鉄道（国鉄）から引き継いだ路線、つまり角館線や阿仁合線とそれらをつなぐ鷹角線を統合し、一貫した運営を行うために設立されました。1986年には南北に分断されていた路線が転換開業し、最初は国鉄から借りた気動車を使用して営業を開始しました。そして1989年には両線を結ぶ新しい路線が開通し、地域住民が長年望んでいた交通網の整備が実現しました。

その後、急行「もりよし」の運行を開始し、特に女性の運転士や車掌の採用が話題となりましたが、地元の人口が少なく自家用車が普及しているため、厳しい経営環境におかれています。特に、1997年に開業した秋田新幹線の影響は限定的で、内陸線の利用者増加にはつながりませんでした。

存続問題

秋田内陸線の経営状況は厳しく、「鉄道の存続」と「バス代替」との議論がしばしば行われてきました。2008年には県知事や市長らが協議し、2012年度までの内陸線の存続が合意されました。この間、国からの補助金を得て安全対策工事や老朽化したインフラの改善を行ってきました。

その後も厳しい経営は続き、2012年には一時的に赤字を減少させましたが、2015年度には再度赤字が2億円を超える見込みとなり、経営上の問題は依然として解決されていません。

経営の変革

2011年からは社長職を公募し、新しいリーダーシップを導入しました。2014年には新たに社長が就任し、外国人観光客をターゲットにした戦略を推進していますが、依然として沿線住民の利用促進が課題です。

車両と運賃

秋田内陸線には、現在11両の気動車が在籍しており、運賃も地域によって設定されています。特に、各種の企画乗車券が存在し、観光客向けのサービスも提供されています。

最近では、沿線の温泉と提携した割引券付きの乗車券も販売されており、地元観光促進にも取り組んでいます。様々なタイプの乗車券が用意されており、利用者のニーズに応じた多様な選択肢を提供しています。

結論

秋田内陸縦貫鉄道は、地域の公共交通として重要な役割を果たしているものの、経営の厳しさや人口減少といった課題に直面しています。今後も持続可能な運営方法について、さらなる工夫と努力が求められるでしょう。

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