湯ノ里駅

湯ノ里駅の概要

湯ノ里駅（ゆのさとえき）は、かつて北海道の上磯郡知内町字湯ノ里に位置していた松前線の駅です。この駅は、JR北海道が運営していたものの、1988年に廃止されました。駅の識別コードとして、電報略号は「ユサ」が使用されていました。

駅の歴史

湯ノ里駅は、1938年の10月21日に国有鉄道の福山線の一部として開業しました。開駅当初は一般駅として利用され、1949年には日本国有鉄道（国鉄）の管理下に移行しました。その後、1953年には福山線が松前線に改称され、駅の名称もその影響を受けました。

1963年には準急「松前」が運行を開始し、湯ノ里駅は重要な停車駅として機能していましたが、1980年に急行「松前」が廃止されたことで、優等列車の停車がなくなりました。こうして駅の利用客は減少し、最終的には1982年11月に貨物の取り扱い、1984年2月には荷物の取り扱いも廃止されました。

1986年には業務委託が廃止されたことにより、無人駅となり、ちょっとした不便さが増しました。その後、1987年には国鉄の分割民営化に伴い、JR北海道が運営することになりましたが、1988年の松前線全線の廃止により、湯ノ里駅も姿を消しました。

駅名の由来

駅名は周辺地域の名称に由来しています。アイヌ語で「水深が浅い・鮭の産卵場」を意味する「ハキチャニ」に由来し、1929年には地名の統合が実施され、知内温泉から「湯ノ里」という名称に変更されました。この地名の変更は、地域の特徴を反映したもので、まさに歴史の深さを物語っています。

駅の構造

廃止されるまでの湯ノ里駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。ホームは松前方面に向かう線路の南側に位置し、駅舎はホームの東側にありました。駅舎とホームは通路で結ばれており、利用客にとって便利なアクセスが提供されていました。業務委託駅として、一定の管理は行われていましたが、最終的には無人化によりその機能は失われました。

利用状況

1981年度のデータによると、湯ノ里駅の1日あたりの乗降客数は約96人でした。この数値からも、急行が廃止された後の利用者数の低下が伺えます。

駅周辺

湯ノ里駅の近くには青函トンネルの出入口が位置し、交通の要所としても重要でした。しかし、駅が廃止されるとともに周辺の景観も変化し、2010年には駅の跡地が完全に空き地となりました。跡地の線路はアスファルトで舗装されるなど、日常的な交通の一部として利用されています。ただし、駅名標のレプリカが設置されているものの、当駅の痕跡はまったく残っていません。

隣の駅

• - 北海道旅客鉄道（JR北海道）

- 松前線
- 重内駅 - 湯ノ里駅 - 千軒駅

このように、湯ノ里駅は廃止となった現在でも、その歴史に興味を持たれる方々にとっては、魅力的なスポットとなっています。

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