湯沢町歴史民俗資料館 「雪国館」

新潟県南魚沼郡に位置する湯沢町歴史民俗資料館「雪国館」は、この地が育んできた歴史や文化、人々の営みを今に伝える博物館施設です。1977年（昭和52年）の開館以来、越後湯沢の深い歴史と雪国ならではの暮らしに焦点を当てた展示を行っています。

特にこの資料館がユニークなのは、川端康成のノーベル文学賞受賞作である小説『雪国』に深く関わる資料を数多く所蔵・展示している点です。湯沢町が作品の舞台となった縁から、作者である川端康成氏や、ヒロイン「駒子」のモデルとされる人物にゆかりのある貴重な品々を目にすることができます。文学作品の世界観と、作品が生まれた土地の文化が交差する、興味深い展示構成となっています。

館内は3つのフロアで構成されており、それぞれ異なるテーマで湯沢の魅力を紹介しています。

1階：文学と芸術の空間

駒子の部屋: 『雪国』のヒロイン、駒子のモデルと伝わる松栄が実際に生活していた部屋を移築し、当時の雰囲気を再現しています。作品世界への没入感を高める空間です。
ギャラリー『雪國』日本画の世界: 小説『雪国』をテーマにした日本画作品を展示。美しい絵画を通して、作品の情景や登場人物の心情に触れることができます。
川端康成・秀子遺愛寄贈品コーナー: 川端康成氏とその妻、秀子夫人が愛用していた品々や、直筆原稿などが展示されています。作家の人となりや創作活動の一端を知ることができます。

2階：雪国の暮らしと情報発信

雪国の住生活コーナー: 雪深い地域の民家から移築された茶の間を中心に、昭和初期頃までの湯沢における生活様式が再現されています。厳冬期の暮らしを支えた知恵や工夫を学ぶことができます。
湯沢町情報発信・雪国ふれあい広場: 湯沢町の観光情報やイベント情報などが提供されるスペースです。来館者が自由に交流できる場としても機能しています。
受付・管理室: 来館者の案内やチケット販売など、施設の運営を担うエリアです。

3階：湯沢の歴史と民俗

湯沢の歴史コーナー: 地元で発見されたおよそ27万枚もの大量の石白古銭をはじめ、古来より交通の要衝であった三国街道に関する資料、そして現代湯沢を代表するスキーの歴史に関する展示が行われています。地域の変遷を多角的に知ることができます。
四季の民俗コーナー: 湯沢における四季折々の農作業や生活に用いられていた道具類が展示されています。一年を通して自然と共に暮らしてきた人々の営みが偲ばれます。
書籍・閲覧コーナー: 湯沢町の歴史や文化、小説『雪国』などに関する書籍を自由に閲覧できるスペースです。より深く学びたい来館者に利用されています。

これらの展示を通して、来館者は湯沢町の自然、歴史、文化、そして文学の深いつながりを感じ取ることができます。

利用案内

休館日: 毎週水曜日がお休みです。ただし、水曜日が祝日の場合はその翌日が休館となります。夏の繁忙期である8月は休まず開館しています。
開館時間: 午前9時から午後5時までです。なお、最終入館時間は閉館時間の30分前、午後4時30分までとなりますのでご注意ください。
入館料:
大人: 500円（15名以上の団体は400円）
子供: 250円（15名以上の団体は200円）
駐車場: 無料駐車場を完備しています。普通車10台、大型車2台が駐車可能です。
アクセス:
公共交通機関: JR越後湯沢駅の西口から徒歩およそ7分の距離にあり、気軽に訪れることができます。
自家用車: 関越自動車道の湯沢インターチェンジから車で約5分です。

湯沢町歴史民俗資料館「雪国館」は、単に古いものを展示するだけでなく、文学作品の舞台としての魅力と、地域の豊かな歴史・文化を同時に体験できる稀有な施設です。越後湯沢を訪れた際には、ぜひ立ち寄って、その深い世界に触れてみてください。

もう一度検索