湯築城

湯築城の歴史と現状

湯築城（ゆづきじょう）は、愛媛県松山市の道後公園内に存在する、日本の歴史的な城の一つです。この城は、堀や土塁が現存しており、国の史跡に指定されています。ここでは、その歴史や現状について詳しく見ていきましょう。

歴史的背景

湯築城は、建武2年（1335年）頃、伊予国の守護であった河野通盛の代に築かれました。河野通盛は一族の本拠地である風早郡河野郷から移住し、この城を構築しました。城の戦歴は豊富で、特に1365年の正月には河野通堯が細川方に属する湯築城を攻撃しました。この戦いで、彼は細川天竺禅門を捕らえることに成功しました。

さらに、1535年には通直（弾正少弼通直）によって外堀が造られるなど、城は進化し続けました。しかし、1581年から1585年にかけて、四国征圧を狙う長宗我部元親の侵攻を受け、湯築城は激しい戦闘に見舞われました。在城していた通直は戦闘後、約1ヶ月の篭城の末に降伏を余儀なくされました。この際、彼は命を助けられましたが、2年後には病没しました。湯築城はその後、羽柴秀吉の命令で小早川隆景に与えられましたが、隆景は管轄を筑前に移し、結果的に湯築城は廃城となってしまいました。

城の廃止とその後

天正15年（1587年）には福島正則が湯築城の城主となりましたが、彼もまた短期間で国分山城に居城を移し、その結果、廃城に至ります。その後、1902年に松山藩主となった加藤氏や蒲生氏、松平（久松）氏が立地を利用し、新しい城である松山城の築城を開始しました。この際、湯築城の瓦などの建材が再利用されたことが確認されています。

現在の況

明治21年（1888年）には湯築城跡が県立道後公園として整備され、その後も様々な変遷を経ました。昭和28年（1953年）には愛媛県立道後動物園が開設され、その運営は昭和62年（1987年）まで続きました。昭和63年（1988年）からは湯築城跡の発掘調査が始まり、平成10年（1998年）から平成13年（2001年）にかけて、武家屋敷や土塀の復元が行われました。これにより、城の歴史的価値が再評価されることとなったのです。

さらに、平成14年（2002年）には国の史跡に指定され、平成18年（2006年）には「日本100名城」の80番目に選定されました。

アクセス方法

湯築城を訪れるには、JR予讃線「松山」駅から伊予鉄道市内電車「道後温泉行き」に乗車し、およそ20分で「道後公園停留場」に到着します。そこから徒歩約1分の距離です。湯築城資料館は開館時は9:00から17:00までで、毎週月曜日は休館日となっています。入場は無料で、湯築城跡のボランティアガイドが配置されています。

結論

湯築城は歴史的に重要な役割を果たしてきましたが、その文化的価値も高く評価されています。現在も多くの人々がこの地を訪れ、歴史を感じ取ることができます。道後公園と共に散策を楽しむのもよいでしょう。

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