満屋裕明

満屋 裕明（みつや ひろあき）のプロフィール

満屋裕明は、1950年8月9日に長崎県佐世保市で生まれた日本のウイルス学者です。彼は現在、国立国際医療研究センターの研究所長を務め、熊本大学では特別招聘教授として後進の指導にあたっています。また、アメリカ国立がん研究所のレトロウイルス感染症部門で部長としても活動し、HIV治療薬の開発に多大な貢献をしています。

学歴と職歴

彼は1969年に長崎県立佐世保北高等学校を卒業後、1975年に熊本大学医学部を卒業しました。1982年には医学博士号を取得し、その後、熊本大学附属病院の第二内科に入局しました。1983年からはアメリカで研究を行い、国立衛生研究所とアメリカ国立がん研究所で客員研究員を務めました。

満屋は、HIV治療薬の研究において画期的な成果を上げました。1985年には、彼とアメリカの研究者であるサミュエル・ブローダー及びロバート・ヤーチョンとの共同によって、抗レトロウィルス薬のAZTが世界初のHIV治療薬であることが発見されました。しかし、特許はバローズ・ウェルカム社に取得され、満屋はその高価格販売に不満を抱きました。

研究成果と業績

その後、彼は新たなHIV治療薬の開発に取り組み、世界で2番目と3番目のHIV治療薬であるddI（Didanosine）とddC（Zalcitabine）の開発にも成功しました。満屋は、企業へのライセンスを供与する際には、適正価格での販売を求める姿勢を貫きました。

2006年には、共同研究を通じて開発したHIV治療薬「ダルナビル」が、途上国向けに特許料を免除された医薬品として国連機関に初めて登録されました。これは、彼の研究が社会に与えた影響を示す重要なマイルストーンです。

受賞歴

満屋は研究と業界への貢献に対して多くの賞を受賞しています。2007年には紫綬褒章、2015年には日本学士院賞を受賞しました。また、彼は2023年に瑞宝中綬章を受勲し、さらに多くの名誉を享受しています。

出版と執筆活動

満屋は、ウイルス感染症に関する多くの学術書を編著しており、その中には「ウィルス感染症との戦い 現状としての21世紀への展望」や「HIVの発見から40年 医学はどう戦ったか、これからどう戦うのか」などがあります。これらの書籍は、HIV研究の最新の知見を広める重要な情報源となっています。

結論

満屋裕明は、HIV治療薬の開発において国際的な評価を受ける日本の科学者であり、その業績は医療界における大きな革新をもたらしました。彼の研究と献身は、今後も多くの人々に希望を与え続けることでしょう。

もう一度検索