満珠 (練習艦)

満珠（まんじゅ）について

満珠は、日本海軍に所属する帆走練習艦で、その艦名は関門海峡の東口に位置する満珠島に由来しています。この島の名前は日本書紀にも記されており、海軍の艦船にも深い歴史的背景があります。

艦歴と建造経緯

満珠は、従来の帆走練習艦である「富士山」や「肇敏」が老朽化したため、その代船として必要性が高まりました。しかし、新たに建造される艦船の数は限られ、さらに時代の進展とともに鋼鉄製の艦船が主流となったことで、木材の需要も減少したのです。こうした背景の中、帆走練習船として建造されたのが「満珠」と「干珠」の2艦です。

満珠は、明治19年度の計画に基づいて小野浜造船所で建造され、艦型は三檣バーク型となっています。起工日は異なるものの、進水や竣工の日は同型艦の「干珠」と一致している点も興味深いところです。

竣工後の活躍

艦が竣工した後の1887年、満珠は練習艦として正式に運用が開始されました。1890年には第三種艦に指定され、さらに日清戦争中には軍港警備のための艦に分類されました。その後、1896年には「干珠」とともに除籍され、船体は佐世保海兵団に付属することとなりました。

1909年に廃船となり、1910年には文部省に移管されます。その後、佐賀県立商船工業学校の実習船として使われることとなりました。

艦長の歴史

艦長には数名の指揮官が任命され、彼らの在任期間は以下のようになっています。

• - 野村清 少佐：1887年12月24日 ～ 1889年5月15日
• - 飯田信臣 少佐：1889年5月15日 ～ 1890年5月13日
• - 三善克己 少佐：1890年5月13日 ～ 1891年7月23日
• - 河村弘貞 少佐：1891年7月23日 ～ 1892年8月27日
• - 世良田亮 少佐：1892年8月27日 ～ 1893年5月20日
• - 東郷正路 少佐：1893年5月20日 ～ 1894年6月8日
• - 酒井忠利 少佐：1896年4月1日 ～ 1896年8月13日

まとめ

満珠の建造からその退役までの一連の歴史は、日本海軍の艦船における重要な節目を示しています。維持され続けたこの練習艦は、海軍の教育や訓練の一環として長きにわたって活用されてきたのです。これにより、当時の海軍が直面していた様々な課題に応える形で活躍しました。移管後も、船は商船工業学校での実習に貢献し、海洋教育の重要な一翼を担っていたことを思い起こさせます。

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