世良田亮

世良田亮

世良田亮（せらた たすく、安政3年10月3日〈1856年10月31日〉- 明治33年〈1900年〉8月1日）は、日本の海軍軍人です。最終階級は海軍少将。

生涯

信濃国上田（現在の上田市）で、上田藩士・山本義隆の子として生まれました。幼名は源之丞。廃藩置県後に世良田姓を名乗ります。幼少の頃から神童として知られ、藩校で学びました。

明治5年（1872年）に海軍兵学寮に入学。明治7年（1874年）には台湾出兵に従軍しています。明治8年（1875年）にアメリカへ留学し、明治10年（1877年）にアナポリス海軍兵学校に入校。同校では優秀な成績を修め、砲術科主任教官であったアルフレッド・セイヤー・マハンから薫陶を受けました。明治14年（1881年）に同校を卒業（卒業席次は72名中14位）。

帰国後の明治14年9月17日、海軍中尉に任官し、東海鎮守府に配属。「扶桑」乗組を経て、明治15年（1882年）には海軍大尉に進級。その後、中艦隊司令官附、海軍省軍務局勤務などを経て、明治20年（1887年）には海軍少佐に昇進。清国公使館附武官も務めました。

帰国後は海軍参謀部出仕、「葛城」副長、「満珠」「天龍」艦長などを歴任。明治26年（1893年）に海軍大佐に進級し、日[[清戦争]]に従軍。威海衛の戦いでは、清国戦艦「鎮遠」を鹵獲する武功を挙げました。その後、「大和」「金剛」艦長、海軍省主事、兼海軍省軍務局軍事課長などを経て、明治32年（1899年）には戦艦「富士」艦長に就任。明治33年（1900年）には戦艦「三笠」回航委員長となります。

明治33年5月、海軍少将に進級し呉鎮守府艦隊司令官となりますが、同年6月には佐世保鎮守府参謀長に異動。しかし、同年7月に病のため待命となり、同年8月1日に現役のまま死去しました。享年43。

人物像

世良田は、瓜生外吉海軍大将と親友であり、共に敬虔なクリスチャン（長老派教会）でした。「武人たる神学者」と呼ばれるほど篤い信仰と学識を持ち、日本基督教会伝道局長も務めています。

また、日本最初の女子留学生である大山捨松、瓜生繁子、津田梅子とも親交があり、特に津田梅子とは縁談の話も持ち上がったことがあります。

家族

明治20年（1887年）に菅野能布と結婚。能布も敬虔なクリスチャンであり、世良田との間に5男1女をもうけました。世良田の死後、能布は故郷の上田に住み、教会に通いながら子供たちを育てました。

瓜生外吉の弔辞

世良田の葬儀において、親友の瓜生外吉は「氏が海軍中に頭角を表はし、今東洋の風雲穏かならざるの時に方つて此の良将を失ふ云々」と弔辞を述べ、その死を悼みました。

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