源光庵

源光庵 (げんこうあん)

概要

源光庵は、京都市北区鷹峯に位置する曹洞宗の寺院です。山号は鷹峰山で、本尊は釈迦如来です。正式名称は「鷹峰山寶樹林源光庵」とされ、別名「復古禅林（ふっこぜんりん）」とも呼ばれています。この寺院は、長い歴史と美しい自然が調和した場所として知られています。

歴史

源光庵の創建は、貞和2年（1346年）に遡ります。当初は臨済宗の大徳寺2世、徹翁義亨国師が隠居所として設立しましたが、時間が経つにつれ寺院は衰退することになります。しかし、元禄7年（1694年）には加賀国の大乗寺27代住持、卍山道白禅師によって再興され、曹洞宗に改宗されました。現在の本堂は再建された元禄7年のもので、加賀出身の中田静家居士の寄進により完成しました。

明治維新における廃仏毀釈の影響で、かつて存在した13ヶ寺のうち9ヶ寺は廃寺となりましたが、源光庵はその歴史を保ちながら現在に至っています。

境内

源光庵には見どころが豊富です。

本堂

本堂は元禄7年に再建されたもので、規模は間口11間半（約21メートル）、奥行7間（約13メートル）です。本尊は釈迦牟尼仏で、脇侍には迦葉尊者と阿難尊者が祀られています。特に注目すべきは「血天井」と呼ばれる部分で、これは伏見城の床板を使用したものであり、歴史的な戦いの名残が垣間見えます。

血天井

血天井は、慶長5年に起きた伏見城の戦いで自刃した徳川軍の者たちの血痕が残っているため、その名があるのです。この板が供養の一環として天井に使われています。

迷いの窓と悟りの窓

加えて、本堂には「迷いの窓」と「悟りの窓」という二つの独特な窓があります。迷いの窓は生の四苦八苦を象徴する四角形で、人間の生涯を表しています。一方、悟りの窓は円形で、禅の心を象徴しており、真理を開くことの重要性を示唆しています。

開山堂（復古堂）

享保4年（1719年）に建立された開山堂も訪れる価値があります。

庭園

源光庵には美しい枯山水庭園もあり、鶴亀の庭は北山を借景にしているため、自然美を楽しむことができます。

その他の施設

境内には、庫裏や稚児井戸なども存在します。稚児井戸は、徹翁が水に困ったときに子供に教えられた井戸で、常に涸れることがないとされています。

アクセス

源光庵へのアクセスは便利です。市バスを利用する場合、地下鉄烏丸線北大路駅から北1号系統の玄琢行きに乗り、源光庵前で下車すると簡単に訪れることができます。また、四条大宮からは6号系統の玄琢行きも利用可能です。

近隣施設

源光庵の周辺には、光悦寺や常照寺、遣迎院、しょうざん光悦芸術村などの興味深い施設も存在し、訪れる人々にとって魅力的な観光エリアとなっています。

源光庵は、その豊かな歴史、独特の建築、そして美しい庭園が融合し、訪れる人々に深い感動をもたらす場所です。

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