源政職

源政職（みなもと の まさもと）

源政職は平安時代中期に活躍した貴族で、光孝源氏の一員です。官位としては従四位下に加賀守を務めましたが、政治や社会においてさまざまな課題に直面した人物でもあります。ここでは、彼の生涯と経歴を詳しく見ていきましょう。

経歴の概要

源政職の先祖は源信明で、父は播磨守の源国盛です。彼の名前は「正職」とも表記され、官歴は長徳3年（997年）に伯耆守に任命されたことから始まります。その後、彼は寛弘3年（1006年）に備後守を歴任し、長保5年（1003年）には正五位下に昇進します。

源政職の出世は順調に見えましたが、彼の任国である加賀では、彼と豪族との間に数多くの問題が生じます。長和元年（1012年）、政職は加賀国の納税忌避を目的とした逃亡事件について太政官に文書を提出しましたが、同時期に加賀の豪族たちからは彼の不正行為を告発する文書が提出されます。これは政職にとって困難な状況を生むこととなります。

政職と豪族との対立

長和元年の九月、議論の場が設けられ、政職と豪族の双方が審問を受けることに決まりました。しかし、豪族たちはその後行方をくらまし、審問に出席しなかったため、結局彼らの告発は虚偽とされ、逆に彼らは罪を問われる結果となりました。この出来事は政職の権威をいくらか保つことに繋がったものの、彼に対する反発は残りました。

その後、政職は個人的な危機にも見舞われます。長和3年（1014年）、敦明親王の従者によって拉致され、彼の邸宅で監禁されました。暴行を受け、自らの足で歩くことを強要されるなど、屈辱的な状況に置かれたのです。この事件は、政職の借金問題が背景にあった可能性も指摘されています。

最晩年と死

政職の最期は悲劇的です。後一条朝の寛仁4年（1020年）12月26日には、自邸に押し入った群盗によって命を奪われました。最終的な官位は前加賀守の従四位下です。彼の死は、当時の貴族社会における無情さを示すものであり、政職の奔走は虚しく終わりました。

系譜と子孫

源政職の家族については、父は源国盛、母は不詳とされています。彼には源信盛という息子がいたほか、養子として源知通も名を連ねています。源知通は実際には政職の子ですが、正式には養子とされています。源政職の一族はその後も平安時代の貴族社会に影響を与え続けました。

参考文献

源政職に関する詳細な研究は、いくつかの文献に記録されています。特に繁田信一の『殴り合う貴族たち -平安朝裏源氏物語』や、宮崎康充が編集した『国司補任 第四』などが参考になります。

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