源氏物語の古注釈書の一覧

源氏物語古注釈書一覧：江戸時代末期までの注釈書の世界

はじめに

この文章では、江戸時代末期までに成立した『源氏物語』の注釈書、いわゆる「古注釈」を一覧で示し、その概要を解説します。それぞれの注釈書の成立時期、巻数、著者、そして関連研究文献を詳細に記述することで、『源氏物語』研究における古注釈の位置づけをより深く理解することを目指します。

一覧の構成

一覧は、以下の基準に基づいて構成されています。

名称及び著者: 五十音順にソート
成立時期: 時系列順にソート
巻冊数: 巻冊数の少ない順にソート

この構成により、読者は注釈書を効率的に比較・検討することができます。

古注釈研究の重要性

『源氏物語』は、長らく日本文学の最高峰として称えられてきました。その理解を深める上で、古注釈は欠かせない存在です。古注釈は、当時の読者の解釈や、作品への理解の深まりを反映しており、現代の私たちが『源氏物語』を理解する上で貴重な手がかりを与えてくれます。また、古注釈は、単なる注釈にとどまらず、当時の文学観や社会状況を反映した貴重な史料でもあります。

主な参考文献

古注釈研究において重要な役割を果たしてきた参考文献を以下に示します。これらの文献を参照することで、より詳細な情報や、多角的な視点からの分析を得ることができます。

大津有一「注釈書解題」『合本 源氏物語事典 下巻』東京堂出版、1960年
続群書類従完成会編『群書解題 第12 装束部・物語部』続群書類従完成会、1961年
「注釈書・研究書解題」三谷栄一編『源氏物語事典』有精堂、1973年
伊井春樹「源氏物語古注釈書事典」秋山虔編『源氏物語事典』学燈社、1989年
井爪康之「研究の手引き 源氏物語古註釈書目録」『国文学 解釈と鑑賞』至文堂、2000年
伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年
野村八良『国文学研究史』原広書店、1926年
重松信弘『新攷源氏物語研究史』風間書房、1961年
伊井春樹『源氏物語注釈史の研究 室町前期』桜楓社、1980年

これらに加え、各注釈書の影印・翻刻資料も研究には不可欠です。

塙保己一編纂太田藤四郎補訂正3版『続群書類従 第18輯 下 物語部・日記部・紀行部』続群書類従完成会、1976年
『源氏物語大成 巻7 研究資料篇』中央公論社、1956年
『源氏物語大成 第十三冊 資料篇』中央公論社、1985年
『源氏物語古註釈叢刊』武蔵野書院、1978年-2010年
『源氏物語享受資料影印叢書』勉誠出版、2008年-2009年
『源氏物語古注集成』桜楓社、1978年-2000年


今後の展望

この一覧は、既存の研究成果を基に作成されたものです。しかしながら、未発見の注釈書や、新たな研究成果も今後出てくる可能性があります。今後も継続的な調査・研究を行い、より網羅的で正確な一覧を作成していくことが重要です。


結論

本一覧が、『源氏物語』研究者や愛好家にとって、貴重な情報源となることを願っています。この一覧を通して、古注釈の多様性や奥深さを理解し、『源氏物語』への理解をさらに深めていただければ幸いです。

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