源翁心昭

源翁心昭（げんのう しんしょう、あるいは玄翁、1329年3月20日 - 1400年2月2日）は、南北朝時代に活躍した曹洞宗の僧です。越後国（現在の新潟県）の出身で、号は空外と称しました。

生い立ちと修行

源翁心昭は、幼少の頃に越後国国上寺で出家しました。18歳の時に曹洞宗に改宗し、總持寺の峨山韶碩（がさん しょうせき）に入門し、本格的な修行を積みました。

各地での活躍

修行後、源翁心昭は伯耆国（現在の鳥取県）に退休寺を開創し、その後は出羽国（現在の山形県・秋田県）の永泉寺や下野国（現在の栃木県）の泉渓寺など、各地の寺院で住持を務めました。1371年には、結城氏の招きに応じて下総国（現在の千葉県北部・茨城県南西部）に安穏寺を開創しました。1375年には陸奥国会津（現在の福島県西部）に赴き、真言宗の寺院であった慈眼寺を曹洞宗に改宗し、示現寺と改名しました。

墓所

源翁心昭の分骨墓は茨城県結城市の安穏寺に、本墓は福島県喜多方市の示現寺にあります。

殺生石退治の伝説

源翁心昭は、殺生石を退治したという伝説で広く知られています。この伝説が、大きな金槌である「玄能（げんのう）」または「玄翁」という言葉の由来になったとされています。伝承によれば、源翁心昭が殺生石を退治したのは至徳2年（1385年）8月のことであると伝えられています。この功績により、翌年には後小松天皇から法王能昭禅師の号を賜ったとされています。

毒龍退治の伝説

殺生石退治の他にも、源翁心昭は自らの因縁に苦しむ毒龍に引導を渡し、成仏させたという伝承も残されています。

人物

源翁心昭は、曹洞宗の普及に尽力しただけでなく、各地に残る伝説からも、民衆からの信仰を集めた人物であったことが伺えます。

外部リンク

* 『源翁心昭』 - コトバンク

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