源自明

源 自明（みなもと の よりあきら）

平安時代中期の公卿である源自明は、醍醐天皇の皇子であり、特に醍醐源氏として知られる人物です。彼の官位は正四位下、また参議にも任命されましたが、生涯の業績は単なる官職以上のものがあったと言えます。

経歴概要

自明は延喜20年（920年）、醍醐天皇の他の皇子たちとともに源朝臣姓を与えられ、臣籍に降格されました。この時から彼は源朝臣としての名が知られるようになります。彼の歴史における重要な位置づけは、この初期の出来事に起因しています。

朱雀朝の承平4年（934年）には無位から従四位上に昇進し、翌承平5年（935年）には伊予守に任命されるなど、官職での出発を果たしました。その後、越前守を経て、天慶2年（939年）には侍従に任命されると、彼の地位は着実に上昇していきます。特に天慶8年（945年）には右兵衛督に就任し、これにより彼は重要な軍事責任を担うこととなりました。

自明は朱雀朝の終わりから村上朝の初めにかけて、右兵衛督の職を10年以上も務めました。この長きにわたる任期において、彼はその手腕を発揮し、官職の承認を得ることに成功します。天暦4年（950年）には正四位下にまで昇進し、彼の社会的地位はますます確立されたものとなりました。

天徳2年（958年）には公卿の一員として参議に任命されますが、同年の春、4月17日に永遠の眠りにつきました。彼の最終官位は参議であり、その際の地位は正四位下でした。

官歴の詳細

以下に自明の官歴を年代順にまとめます。

• - 延喜20年（920年）12月28日：臣籍降下（源朝臣）
• - 承平4年（934年）正月7日：従四位上（直叙）
• - 承平5年（935年）2月23日：伊予守に就任
• - 承平6年（936年）5月22日：越前守に任命
• - 天慶2年（939年）12月27日：侍従に補任
• - 天慶3年（940年）12月22日：昇殿
• - 天慶8年（945年）12月25日：右兵衛督に遷任
• - 天暦2年（948年）：播磨守に就任（5月）、服喪（8月）、復任（12月）
• - 天暦4年（950年）正月7日：正四位下に昇進
• - 天暦8年（954年）3月14日：近江権守を任命
• - 天徳2年（958年）正月30日：参議に任命（元右兵衛督として任命）
• - 同年4月17日：卒去（参議正四位下）

系譜

源自明は醍醐天皇を父に持ち、母は藤原淑姫であり、藤原菅根の娘であるとされます。妻の名は明らかではありませんが、彼には男子として源元忠がいました。

自明の経歴や公職での活動から、彼の時代における社会と政治の動向が垣間見えます。また、彼の存在は源氏の流れをより明確にし、平安時代の公卿社会の一端を理解する上でも重要なものとなります。

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