源頼房

源頼房（みなもと の よりふさ）は、平安時代中期に活躍した武将であり、大和守を務めた源頼親の次男として生まれました。従五位下・加賀守の官位を持ち、「荒加賀」という異名でも知られています。

生涯

頼房の事績として特筆されるのは、加賀守の任期を終えた後の永承4年（1049年）に起こった興福寺との対立です。長年にわたり対立関係にあった興福寺の大衆が、父である頼親の邸宅に押し寄せました。この際、頼房は自ら矢を手に取り応戦し、多数の僧を殺害するという事態を引き起こしました。この事件は興福寺の激しい怒りを買い、翌年の永承5年（1050年）正月、頼親は土佐国へ、頼房は隠岐国へと配流されることとなりました。この事件の顛末は、『扶桑略記』にも記されています。

しかし、頼房の苦難は長くは続きませんでした。康平5年（1063年）12月には赦免され、元の官位に復帰を果たします。一時は平穏を取り戻したかに見えましたが、承保3年（1076年）、再び興福寺の訴えにより肥前国へと配流されることとなります。そして、この地において間もなく亡くなったと伝えられています。

系譜

源頼房の系譜は以下の通りです。

父：源頼親
母：不詳
妻：藤原嬉子（後冷泉天皇生母）の女房

男子：源頼俊
生母不明の子女

男子：源親宗
男子：源為房
女子：清仁親王妃

関連事項

源頼房に関連する項目として、大和越智氏が挙げられます。

源頼房は、武将としての側面だけでなく、興福寺との対立という政治的な側面も持ち合わせていました。その生涯は、平安時代中期の社会情勢を反映しており、歴史を研究する上で貴重な情報源となっています。

特に、興福寺との関係は、当時の寺社勢力の強大さを示すものであり、国司である頼親や頼房が、その勢力に翻弄された様子が窺えます。また、配流という処分は、当時の政治的な駆け引きや権力構造を物語るものであり、源頼房の生涯を通して、平安時代の社会や政治について深く知ることができます。

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