溝井裕一

溝井裕一

溝井裕一（みぞい ゆういち、1979年生まれ）は、日本のドイツ文学者であり、現在は関西大学の教授として教鞭を執っています。

略歴

兵庫県に生まれた溝井氏は、2003年に関西大学文学部独文学科を卒業後、同大学院に進学。2008年には博士課程を修了し、「ファウスト伝説 近代における「魔法使い」像の形成と変容」というテーマで文学博士号を取得しました。その後、2011年に母校である関西大学文学部の准教授に就任し、2018年には教授に昇任しています。

研究分野

溝井氏の研究は、ドイツ文学にとどまらず、文化史、思想史、ジェンダー論など、幅広い分野に及んでいます。特に、以下のテーマに関する研究で知られています。

ファウスト伝説：ゲーテの代表作である『ファウスト』にまつわる伝説を、西洋文化史的な視点から考察しています。
動物園・水族館の文化史：人間と動物の関係を、歴史的・文化的な視点から分析しています。特に、『水族館の文化史』は、2018年にサントリー学芸賞を受賞しました。
ジェンダー論：ヨーロッパにおけるジェンダー文化の変遷を、歴史的な資料に基づいて研究しています。
集団妄想とカルト：欧米社会における集団妄想やカルト現象の生成と連鎖について、社会学的・心理学的な視点から考察しています。

著書

溝井氏は、数多くの著書や論文を発表しています。主な著書としては、以下のようなものがあります。

『ファウスト伝説 悪魔と魔法の西洋文化史』（文理閣、2009年）
『動物園の文化史 ひとと動物の5000年』（勉誠出版、2014年）
『水族館の文化史　ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』（勉誠出版、2018年）

また、共編著として、

『ヨーロッパ・ジェンダー文化論 女神信仰・社会風俗・結婚観の軌跡』（明石書店、2011年）
『顔をみること 表された顔をめぐる美術史・文化史的断章』（関西大学出版部、2012年）
『ドイツ奇人街道』（関西大学出版部、2014年）
『欧米社会の集団妄想とカルト症候群 少年十字軍、千年王国、魔女狩り、KKK、人種主義の生成と連鎖』（明石書店、2015年）
『想起する帝国 ナチス・ドイツ「記憶」の文化史』（勉誠出版、2017年）

などがあります。

溝井氏の研究は、文学研究にとどまらず、文化史研究や社会学研究にも貢献しており、学術界における今後の活躍が期待されています。

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