滝口順平

滝口 順平（たきぐち じゅんぺい）

概要

滝口順平は、日本の有名な声優および俳優として、1931年4月17日に千葉県船橋市に生まれ、2011年8月29日に亡くなりました。彼の本名は滝口幸平で、数多くのテレビアニメや映画での声の演技で知られています。特に「ヤッターマン」のドクロベエ役や、「ルパン三世」シリーズのミスターXとしての役柄で広く認識されています。

幼少期と教育

順平の少年時代は貧しいものでした。彼の父親は定職を持たず、様々な事業に失敗し続け、家族は経済的に苦しい状況にありました。中学生の頃、彼はラジオドラマに夢中になり、親戚には浪曲師がいたことから、演技に興味を持つようになりました。

1949年には千葉県立市川工業高等学校を卒業し、その後地元の工場で働き始めますが、朗読の経験を生かしてのど自慢大会に参加し、声優の道を志すこととなります。

声優としてのキャリア

彼は小山源喜のキリン座に入団し、声優としての訓練を受けました。その後、1949年に戦後新たに発足したラジオ東京の放送劇団でトップの成績を収め、20歳で最年少のメンバーに選ばれました。1957年には、もっと大きな世界で自分の声力を試したいという思いから退団しました。その後、いくつかの劇団やプロダクションを経て、フリーとして活動を続けました。

彼は数多くのラジオドラマに参加し、特にテレビ洋画の吹き替えにおいて草分け的な存在となりました。たくさんの著名な外国映画やアニメの声を担当し、独特の声質を活かして多くのキャラクターに命を吹き込む技術で知られています。

代表作

滝口は特に「タイムボカンシリーズ」におけるにドクロベエ役で有名で、名台詞「おしおきだべ！」は多くのファンに愛されています。「ルパン三世」シリーズでのミスターX役も彼の代表作の一つであり、アニメの世界に多大な影響を与えました。また、アニメ『それいけ!アンパンマン』ではサンタクロース役を1968年から2010年まで続け、この役でも多くの子供たちに親しまれました。

晩年と死去

滝口は80歳近くまで精力的に活動を続けました。アニメ『ヤッターマン』や『それいけ!アンパンマン』などのリメイク版に出演し、バラエティ番組でもその声を聞かせました。2011年8月29日、彼は胃癌のため入院先の病院で亡くなりました。彼の死去後も、収録した声は様々なメディアで使用され続け、ファンにその存在を感じさせています。

人物像

滝口は日本初の民間放送の声優として、バスバリトンの声質を活かし、太った悪役やコメディの敵役を演じることが多かったです。晩年まで酒と煙草はやめず、独特な声を保つため、毎日うがいを行っていたと語られています。また、声優は視聴者に抱かれるイメージが非常に重要であると考え、テレビ番組に出演する際は顔が映らないように配慮していました。

滝口順平は彼の声を通じて、日本のエンターテインメント界に影響を与え続けてきました。特別功労賞を受賞した2012年には、多くの後輩声優たちにその存在との貴重な教訓を残しています。

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