滝澤正

滝澤正（たきざわ ただし）は、1946年7月生まれの日本の法学者で、比較法学とフランス法を専門としています。上智大学の名誉教授であり、同大学の法学部と法科大学院で教鞭を執りました。また、第14代上智大学学長を務めたことでも知られています。

長野県中野市で生まれた滝澤氏は、1969年に東京大学法学部を卒業。その後、1971年に同大学大学院法学政治学研究科修士課程を修了し、1976年には同研究科博士課程を修了しました。博士論文「フランス法における行政契約 -行政契約の標識を中心として-」で法学博士の学位を取得しています。1979年から2年間は、フランス政府給費留学生としてパリ第2大学パンテオン・アサスに留学し、フランス法の研究に励みました。

1976年に上智大学法学部の助教授に就任し、1984年に教授に昇進。2004年には上智大学法科大学院の教授も兼任しました。2006年には比較法学会の理事長に選出され、2011年には上智大学の学長に就任。2013年から2015年には、上智大学短期大学部の学長も務めました。2015年には、上智大学生命倫理研究所長に就任。2017年に上智大学を定年退職しましたが、その後も研究活動を続けています。

滝澤氏の研究は、フランス行政法の理論に焦点を当てており、その業績は高く評価されています。1986年には『フランス行政法の理論』で、文学・歴史分野以外では初めてとなる渋沢・クローデル賞を受賞しました。また、フランス法に関する多くの著書を出版しており、特に『フランス法』シリーズは、フランス法を学ぶ学生にとって重要な参考書となっています。2023年4月には、長年の教育・研究活動が評価され、瑞宝重光章を受章しました。

主な著作

『フランス法〔第4版〕』（三省堂、2010年）
『比較法』（三省堂、2009年）
『フランス法〔第3版〕』（三省堂、2008年）
『フランス法〔第2版〕』（三省堂、2002年）
『フランス法』（三省堂、1997年）
『フランス行政法の理論』（有斐閣、1984年）

主な編著

『比較法学の課題と展望』（信山社出版、2002年）

主な訳書

（P. ウェール、D. プイヨー）『フランス行政法』（三省堂、2007年）（兼子仁と共訳）

滝澤氏は、日本の法学界において、比較法学、特にフランス法の分野で重要な貢献をしてきた人物です。その研究と教育活動は、多くの法学者や学生に影響を与え続けています。

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