漁業法

漁業法（昭和24年法律第267号）

漁業法は、日本の漁業を規律する重要な法律です。その目的は、以下の2点に集約されます。

漁業の総合的かつ高度な利用: 水産資源を持続的に活用し、漁業の発展を図ること。
漁業の民主化: 漁業者による自主的な管理を促進し、漁業の活性化を目指すこと。

漁業法の背景と現状

かつて日本は世界有数の漁獲量を誇っていましたが、近年、乱獲による資源の枯渇が深刻化しています。そのため、漁業に対する規制が強化され、漁業者の減少や漁村の過疎化・高齢化が進んでいます。このままでは、2050年には漁業者がほぼゼロになるという予測も出ています。

このような状況を打開するため、2018年6月には水産政策改革が発表され、漁業権に関する地元のルールが撤廃されました。これは、漁業を成長産業として再生させることを目指したものです。同年12月には、70年ぶりとなる漁業法の大改正が行われました。

漁業法の構成

漁業法は、以下の章で構成されています。

第1章：総則 (1条 - 6条)
法律の目的や基本原則を定めています。
第2章：水産資源の保存および管理
第1節：総則 (7条・8条)
第2節：資源管理基本方針等 (9条 - 14条)
第3節：漁獲可能量による管理
第1款 (15条・16条)
第2款 (17条 - 29条)
第3款 (30条 - 34条)
第4節：補足 (35条)
水産資源の適切な管理方法について規定しています。
第3章：許可漁業
第1節：大臣許可漁業 (36条 - 56条)
第2節：知事許可漁業 (57条・58条)
第3節：補足 (59条)
特定の漁業を行うために必要な許可について規定しています。
第4章：漁業権および沿岸漁場管理
第1節：総則 (60条・61条)
第2節：海区漁場計画及び内水面漁場計画
第1款：海区漁場計画 (62条 - 66条)
第2款：内水面漁場計画 (67条)
第3節：漁業権
第1款：漁業の免許 (68条 - 73条)
第2款：漁業権の性質等 (74条 - 96条)
第3款：入漁権 (97条 - 104条)
第4款：漁業権行使規則等 (105条 - 108条)
第4節：沿岸漁場管理 (109条 - 116条)
第5節：補足 (117条・118条)
漁業権の内容や沿岸漁場の管理について規定しています。
第5章：漁業調整に関するその他の措置 (119条 - 133条)
漁業紛争の調整や資源保護のための措置について規定しています。
第6章：漁業調整委員会等
第1節：総則 (134条・135条)
第2節：海区漁業調整委員会 (136条 - 146条)
第3節：連合海区漁業調整委員会 (147条 - 151条)
第4節：広域漁業調整委員会 (152条 - 156条)
第5節：雑則 (157条 - 160条)
漁業調整を行うための委員会について規定しています。
第7章：土地及び土地の定着物の使用 (161条 - 167条)
漁業に必要な土地の使用について規定しています。
第8章：内水面漁業 (168条 - 173条)
河川や湖沼などで行われる内水面漁業について規定しています。
第9章：雑則 (174条 - 188条)
その他の必要な事項について規定しています。
第10章：罰則 (189条 - 198条)
法律に違反した場合の罰則について規定しています。
附則

関連項目

海洋法に関する国際連合条約 - 排他的経済水域
環境法
漁港漁場整備法
漁業取締船
漁業
* 漁港

漁業法は、日本の漁業の持続可能性を確保するための重要な基盤となる法律です。今後の改正や運用によって、漁業が再び活性化し、豊かな水産資源を将来世代に引き継ぐことができるようになることが期待されます。

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