漁港 (バンド)

漁港（ぎょこう）とは

漁港は、1986年に結成された日本のバンドで、その特異な活動スタイルから「フィッシュロック・バンド」と自称しています。バンド名の正式表記は「港」の文字を左右反転させたもので、これはリーダーの森田釣竿が、左右対称の形が毛蟹を連想させることに気づき発案したものです。また、METALLICAやABBAなどのロゴデザインにも影響を受けたとされています。

バンドの概要

「日本の食文化を魚に戻し鯛！」を合言葉に活動する彼らは、メンバーが千葉県浦安魚市場で鮮魚商を兼業しているという異色の経歴を持ちます。そのため、楽曲のテーマは魚介類や海に関わるものが多く、ねじり鉢巻にゴム長靴という出で立ちも特徴的です。ライブでは魚の解体ショーや、鰹節、貝類の配布といった独自のパフォーマンスを行い、物販ではCDだけでなく鮮魚を販売することもあります。彼らの活動は、従来の音楽の枠を超え、聴覚・視覚に加えて味覚や嗅覚にも訴えかける新しいエンターテイメントとして注目されています。

漁港用語

彼らの活動を特徴づけるものとして「漁港用語」があります。これは、ライブを漁業、チケットを乗船券などと言い換えるだけでなく、日常会話でも海や魚介類に関わる漢字を使うという特殊な言い回しです。この言葉はメンバーだけでなく、事務所からの公式情報やファンとのコミュニケーションにも使用され、独特の世界観を形成しています。

メディア露出と活動

漁港は、そのユニークな活動が国内外で注目され、ロイター通信社、BBC、ABC、MBC、CANAL PLUSなどの海外メディアにも取り上げられています。また、ドキュメンタリー番組『Lonely Planet's Six Degrees』に出演するなど、メディア露出も多く、その活動範囲は多岐に渡ります。音楽活動だけでなく、鰹節大使やマグロ漁業推進機構のイメージキャラクターを務めるなど、食文化にも深く関わっています。

沿革

• - 1986年：漁業を営んでいた森田釣竿が、オーストラリア沖で音楽活動に目覚めバンド結成。
• - 2004年：シングル「鮪」でメジャーデビュー。
• - 2008年：水産庁で2ndアルバム「FISH&PEACE」の記者会見を開催（初の事例）。
• - 2008年：築地市場でライブを開催（ロックバンドとして初の事例）。
• - 2008年：日本武道館でマグロ解体ライブを実施（初の事例）。
• - 2011年：東日本大震災復興支援団体「Re-Fish」結成に参加。
• - 2012年：千葉県銚子港でマグロ四本同時解体ライブを実施。
• - 2013年：森田釣竿が主演映画『アナタの白子に戻り鰹』で主演男優賞を受賞。
• - 2017年：森田釣竿が鮮魚店「泉銀」二号店をオープン。

メンバー

• - 森田釣竿：船長（リーダー）、ボーカル、包丁担当。
• - 深海光一：ギター、サンプラー、コーラス、ダンス担当。

旧メンバー

• - 鯨太郎：エンジンルーム（サンプラー）、コーラス担当。
• - 荒波寛之：エンジンルーム（サンプラー）担当。
• - キロピン丸：コーラス担当。

代表的な作品

漁港の代表的な作品には、以下のようなものがあります。

シングル

• - 「鮪」（2004年）
• - 「鰹」（2005年）
• - 「枕崎！勝男武士」（2007年）
• - 「HUNAMUSHI」（2013年）
• - 「かまいし 桜牡蠣」（2014年）
• - 「鱒（マス）」（2015年）
• - 「イカ」（2016年）
• - 「魚食え！コノヤロー！！！」（2018年）

アルバム

• - 「漁港」（2007年）
• - 「FISH&PEACE」（2008年）
• - 「海」（2011年）

まとめ

漁港は、その独自のコンセプトと活動を通して、日本の食文化、特に魚食を再考するきっかけを提供しています。彼らの音楽は、視覚、聴覚だけでなく、味覚や嗅覚にも訴えかける、他に類を見ないエンターテイメントであり、国内外で高い評価を得ています。今後も、彼らのユニークな活動から目が離せません。

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