李成桂

李成桂（1392年 - 1398年）

李成桂（り せいけい、イ・ソンゲ、生年: 1335年10月27日 - 没年: 1408年6月18日）は、李氏朝鮮の初代国王であり、国の創始者でもあります。彼の在位期間は1392年から1398年までで、その間に多くの政治的、軍事的な変革をもたらしました。

生い立ちと高麗時代の活動

李成桂は咸州の双城総管府に生まれました。彼は高麗の有力な武将として自らの名を知られていましたが、朝廷内での権力闘争や特定の政策に反発し、次第に独自の勢力を強めていきます。特に、昌王の親元反明政策に反対し、そこからクーデターが発生しました。この反乱を通じて高麗王を廃位し、新たな政権を樹立しました。

1392年には、新たに朝鮮という国号が正式に与えられました。この時彼は「権知高麗国事」という地位を名乗り、朝鮮における実質的な支配者となるのです。李成桂は1388年の威化島回軍を契機に、名誉だけでなく実権をしっかりと掌握しました。この遠征は、彼に対する民衆の信任を強化し、次第に高麗王朝の崩壊を誘発したのです。

王位と政治的変革

1394年、李成桂は漢陽（現在のソウル）へ遷都し、国を整備しました。また、彼は抑仏崇儒政策を推進し、仏教を抑圧して朱子学を国教と定めます。この施策は当時の国に大きな変化をもたらしましたが、一方で内部では王子たちの王位を巡る争いが勃発しました。1398年には、李成桂は息子たちの闘争により退位を余儀なくされ、その後の人生は仏教徒としての道を選ぶことになります。

国号（朝鮮）の由来と意義

李成桂が推した国号「朝鮮」は、明の洪武帝から正式に認められたもので、歴史的な意義を持ちます。中国の支配体制の中で新しい国家が確立されたことは、新国家の成立を象徴する重要な出来事でした。国号の選定には、当時の政治的背景や李成桂の意図が反映されています。

晩年と李成桂の地位

李成桂は、王位を譲った後も政治的な影響力を持ち続けましたが、彼の家族内での争いには苦しみました。晩年は静かに過ごし、念仏に耽っていたと伝えられています。彼は1408年に74歳で亡くなり、歴史的にも重要な人物として認識されています。その死後、彼の貢献が評価され、後の時代において初代李氏朝鮮国王の称号が贈られました。

李成桂の生涯は、朝鮮王朝の発展に直接的に寄与しただけでなく、その後の韓国の歴史にも多大なる影響を与えました。彼は新しい国の礎を築き、政治的変革をもたらした重要な歴史的人物です。

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