漫才新人大賞

漫才新人大賞について

漫才新人大賞は、一般社団法人漫才協会が主催する、若手漫才師を対象としたコンクールです。東京漫才の技術向上と後継者育成を目的に、2002年7月に第1回が開催されました。以来、毎年1回開催されています。

大会の目的

この大会は、テレビで主流となっている短いネタとは異なり、10分から30分という長い時間を使って、言葉の掛け合いだけで観客を楽しませる「古典芸能としての漫才」の魅力を、若手芸人や観客に再認識してもらうことを目的としています。

大会の変遷

当初は漫才協会所属の芸人のみが参加可能でしたが、第6回からは外部の芸人の参加も認められました。しかし、2016年の第15回からは再び協会内部の大会となりました。2023年10月より国立演芸場が改修工事のため閉場したため、2024年は荒川区日暮里サニーホールで開催されました。

大会の形式

大会は予選と決勝の二段階で行われます。決勝進出者は、予選を勝ち抜いた漫才師たちです。優勝者には賞金10万円が贈られます。

開催時期

決勝は当初7月に開催されていましたが、その後6月、5月と徐々に開催時期が繰り上がり、2024年には2月に開催されました。予選は決勝の2～3ヶ月前に行われ、浅草東洋館、荒川区日暮里サニーホール、東京芸術センター 天空劇場など、開催年によって場所が異なっています。なお、2024年は予選と決勝が同日に同会場で実施されました。

出場資格

予選への出場資格は、漫才協会に所属する結成20年以内の漫才コンビに限られています。外部参加が認められていた時期には、漫才協会と外部で別々に予選が行われ、それぞれ同数の組が決勝に進出していました。

審査員

審査員は、漫才協会の理事、演芸作家、演芸記者、マスコミ関係者などが務めます。2024年の審査員は、塙宣之（ナイツ）、宮田陽、セイワ太一（エルシャラカーニ）、そして特別審査員としてユウキロックが参加しました。

参加費

参加には、エントリー費として1人1,000円を当日会場で支払う必要があります。

決勝ルール

決勝のルールは、大会によって変遷しています。

第11回大会まで：持ち時間は1組10分。全組のネタ終了後に審査で大賞が決定。
第12回大会：持ち時間は1組4分。全組のネタ終了後に上位4組が選出され、最終決戦後に大賞が決定。
第13回大会：持ち時間は1組7分。全組のネタ終了後に審査で大賞が決定。
第14回大会：持ち時間は1組6分。全組のネタ終了後に審査で大賞が決定。
第15回大会：持ち時間は1組7分。審査員の評価に加え、観客投票も結果に反映。
第16回大会以降：持ち時間は1組10分。審査員の評価に加え、観客投票も結果に反映。

歴代受賞者

以下は、過去の漫才新人大賞の主な受賞者です。

第1回：ロケット団
第2回：ナイツ
第3回：該当者なし　優秀賞：宮田陽・昇、Wコロン、ホンキートンク
第4回：宮田陽・昇
第5回：該当者なし　優秀賞：Wコロン、ホンキートンク
第6回：ホンキートンク
第7回：該当者なし　優秀賞：流れ星、エレファントジョン
第8回：ハマカーン
第9回：エレファントジョン
第10回：コンパス
第11回：カントリーズ
第12回：S×L（現・リニア）
第13回：母心
第14回：湘南デストラーデ
第15回：オキシジェン
第16回：ゴールドハンマー
第17回：おちもり
第18回：おせつときょうた
第19回：マリア
第20回：春組織
第21回：ミーナ
第22回：わらふぢなるお

（太字は漫才協会所属外）

大会に関するエピソード

この大会は、漫才協会に所属する芸人に有利だと言われることがあります。しかし、普段短いネタを披露している若手芸人にとっては、長い持ち時間と年齢層の高い観客を前にしてネタをすることは、あまり経験がないため、M-1グランプリなどの若手向けコンテストとは異なる評価を受けることがあります。

また、審査員の意見として、「きれいな日本語を使ってほしい」というものや、「テレビ向けの短いネタではなく、長い時間で観客を魅せる芸を磨いてほしい」といったものがあります。第7回大会では、「大賞を出さなければ、次回も挑戦してもらえる」という理由で大賞が出されなかったこともありました。

予選では、持ち時間3分を過ぎると強制的に退場となるルールがありますが、時間のカウント開始が曖昧であったり、決勝では時間オーバーは減点となるものの具体的な許容範囲が不明確など、大会運営上の課題も指摘されています。

決勝大会の模様は、過去にテレビ東京で放送されたり、J:COMの番組で放送されたりもしています。第12回大会では、テレビ東京の取材が入ることを失念していた漫才協会が、他局の番組関係者を審査員に招待してしまい、当日辞退するというトラブルもありました。

2020年には、新型コロナウイルスの影響で大会が延期されるなど、社会情勢の影響も受けています。

外部リンク

* 漫才新人大賞の記録 | 一般社団法人 漫才協会

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