漿液腺

漿液腺とは

漿液腺（しょうえきせん、Serous gland）は、体液の一種である漿液を分泌する腺組織です。漿液とは、アルファーアミラーゼのような酵素を含んだ、血漿とほぼ等しい浸透圧を持つ液体です。この漿液を分泌する細胞を漿液細胞と呼び、漿液細胞が集まって房状になった構造を漿液腺房と呼びます。漿液腺は、この漿液腺房が集まって構成されています。

漿液腺の主な特徴

分泌物: 漿液腺は、アルファーアミラーゼなどの消化酵素を含む漿液を分泌します。この漿液は、食物の消化を助ける役割を担っています。
細胞: 漿液腺は、漿液を分泌する漿液細胞で構成されています。漿液細胞は、細胞内に分泌顆粒を持ち、これらの顆粒内に酵素が蓄えられています。
構造: 漿液腺は、漿液細胞が房状に集まった漿液腺房で構成されています。これらの腺房は、集合して一つの腺組織を形成します。

漿液腺の分布

漿液腺は、体内の様々な場所に分布していますが、特に以下の場所に多く見られます。

耳下腺: 耳下腺は、唾液を分泌する最大の唾液腺であり、漿液腺が豊富に存在します。
涙腺: 涙腺は、眼球の表面を潤す涙液を分泌する腺であり、漿液腺によって構成されています。
顎下腺: 顎下腺も唾液腺の一つであり、漿液腺を含みます。ただし、耳下腺ほど漿液腺の割合は高くありません。
舌下腺: 舌下腺は、他の唾液腺と比較して、漿液腺の割合が非常に少ないとされています。

漿液腺の機能

漿液腺の主な機能は、以下の通りです。

消化酵素の分泌: 漿液腺は、アルファーアミラーゼなどの消化酵素を分泌し、食物の分解を助けます。
潤滑: 漿液は、口腔内や眼球の表面を潤し、乾燥を防ぐ役割を担います。
保護: 漿液は、細菌や異物の侵入を防ぎ、粘膜を保護する役割も果たします。

まとめ

漿液腺は、漿液細胞が集まって形成される腺組織であり、消化酵素を含む漿液を分泌することで、消化や潤滑、保護など、様々な生理機能に関与しています。特に、耳下腺や涙腺に多く存在し、重要な役割を果たしています。漿液腺の構造と分布を理解することで、体の様々な機能についてより深く理解することができます。

参考資料

Anatomy Atlases - Microscopic Anatomy, plate 10.180 - "Tongue: Mucous and Serous Glands"
Anatomy Atlases - Microscopic Anatomy, plate 10.182 - "Lingual Glands"
Histology image: 10101loa — ボストン大学の組織学学習システム - "Epithelial Tissue, Surface Specializations, and Glands multicellular; pure serous gland"
Overview at siumed.edu

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