潮 (初代神風型駆逐艦)

潮（初代）

「潮」は、大日本帝国海軍が運用した駆逐艦の一隻です。神風型駆逐艦（初代）の19番艦として建造されました。後に吹雪型駆逐艦（特II型、綾波型）にも同名の艦「潮」が存在するため、初代艦は区別のために「潮 (初代)」や「潮I」と表記されることがあります。

建造から竣工まで

本艦は製造番号第19号として計画され、1905年（明治38年）2月15日に「潮」と命名されました。同年4月12日、呉海軍工廠の船台にて起工。順調に工事は進み、同年6月18日に無事進水しました。特筆すべきは、同年6月28日という早い段階で、同型艦の中でも最初に駆逐艦として正式に類別されたことです。そして、進水からわずか1ヶ月後の同年7月15日には竣工を迎え、就役しました。

主な任務と艦歴

就役後の「潮」は、主に哨戒や警備の任務に従事しました。第一次世界大戦が勃発すると、日本が参戦した青島攻略戦において、その作戦を支援するために投入され、戦闘に参加しました。また、戦間期に発生したシベリア出兵の際にも重要な役割を担い、沿海州の沿岸地域における警備活動に従事し、日本の権益保護や治安維持に貢献しました。

掃海艇への転籍と最期

時が経ち、船体も老朽化が見られるようになったことから、「潮」は運用後期にその用途を変更されることになります。1924年（大正13年）12月1日、本艦は掃海艇籍に編入され、「潮型掃海艇」の一隻として新たな任務にあたるようになりました。しかし、その船齢は着実に積み重なり、1928年（昭和3年）4月1日にはついに海軍籍から除かれました（除籍）。同年7月6日には「廃駆逐艦第12号」と仮称され、その存在は過去のものとなります。最終的に、1929年（昭和4年）1月31日をもって廃船として扱われ、その波乱に富んだ生涯を終えました。

歴代駆逐艦長・掃海艇長

「潮」の指揮を執った歴代の駆逐艦長および掃海艇長は以下の通りです。（※階級、就任日 - 離任日）

駆逐艦長

磯部忠次 少佐：1905年12月12日 - 1906年8月30日
（兼）成瀬美雄 大尉：1906年8月30日 - 10月25日
（兼）加々良乙比古 大尉：1906年10月25日 - 1907年1月12日
内倉利吉 大尉：1907年1月12日 - 1908年4月20日
鈴木辰雄 大尉：1908年4月20日 - 12月10日
西野作太郎 大尉：不詳 - 1909年4月12日
唐沢忠祥 大尉：1909年4月12日 - 1909年12月1日
（兼）佐川英夫 大尉：1909年12月1日 - 1910年12月1日
石川清 大尉：1910年12月1日 - 1911年1月23日
岡田政次郎 少佐：1911年1月23日 - 8月19日
臼井国 大尉：1911年8月19日 - 1912年5月22日
野田為良 少佐：1912年5月22日 - 1913年4月1日
小沢潔 大尉：1913年4月1日 - 12月1日
石田正一 大尉：1913年12月1日 - 1914年8月7日
福本百太郎 大尉：1914年8月7日 - 1915年12月13日
柘植慶太郎 大尉：1915年12月13日 - 1917年6月1日
畠山義赴 大尉：1917年6月1日 - 8月23日
坪井丈左衛門 少佐：1917年8月23日 - 12月1日
馬瀬篤治 大尉：1917年12月1日 - 1918年5月21日
小山与四郎 大尉：1918年5月21日 - 1918年12月1日
吉田庸光 大尉：1918年12月1日 - 1919年9月15日
岩村清一 大尉：1919年9月15日 - 1919年12月1日
小林廉也 大尉：1919年12月1日 - 1920年11月15日
鈴木田幸造 大尉：1920年11月15日 - 1922年1月10日
（兼）山本正夫 大尉：1922年1月10日 - 7月20日
阿部弘毅 大尉：1922年7月20日 - 1922年12月1日
藤田類太郎 大尉：1922年12月1日 - 1923年11月20日
大藤正直 大尉：1923年11月20日 -

掃海艇長

隈部勇 大尉：1924年12月1日 - 1925年12月1日
牟田口格郎 大尉：1925年12月1日 - 1926年11月20日

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