潮田高教

潮田高教：赤穂義士の知略と忠義を体現した武士

潮田高教は、1669年（寛文9年）、赤穂藩浅野氏家臣の子として生まれました。通称は又之丞、変名は原田斧右衛門で知られています。200石を相続し、藩では郡奉行や絵図奉行を兼務するなど、藩政に貢献しました。槍の腕前は確かで、剣術も習得しており、武芸にも秀でていました。

高教は、大石良雄の親戚筋にあたる小山良師の娘を妻に迎え、信頼厚い関係を築いていました。そのため、大石の重要な計画にも関与することになります。元禄7年（1694年）の備中松山城受取にも従軍した記録が残されています。

元禄14年（1701年）、浅野長矩が吉良義央に刃傷に及んだ事件では、高教は赤穂にいました。赤穂城明渡しの際には、赤穂城絵図と領内絵図を幕府目付に提出、その後も大石良雄のもとで藩政の残務処理に携わりました。家族は一時、親戚筋の家に預けられました。

討ち入り計画が進む中、高教は、大石良雄の命を受け、江戸の急進派をまとめる役目を担いました。しかし、逆に急進派に巻き込まれる形となり、その後大石自身も江戸へ下向、高教も同行し、京都に戻った後、神文血判書を提出しています。

浅野長広の預かり処分が決まった後、円山会議で仇討ちが決定すると、高教は堀部武庸とともに江戸へ行き、同志にその旨を伝えました。その後、再び京都に戻り、再び江戸へ行き、大石良雄と同じ宿舎に滞在しました。

吉良邸討ち入りでは、裏門隊として活躍。討ち入り後、首級を泉岳寺へ運びました。その後、熊本藩細川綱利の屋敷に預けられ、一定の待遇を受けながらも、独特な行動も見せています。大石良雄の切腹に際しては、「皆の者共も追っ付参る」と激励の言葉をかけました。

1703年（元禄16年）2月4日、高教は切腹。享年35歳でした。主君・浅野長矩と同じ泉岳寺に葬られ、その生涯に幕を閉じました。辞世の句「もののふの道とはかりを一すしに思ひ立ぬるしての旅路に」は、武士としての生き様を端的に表しています。

高教に関するいくつかの逸話も存在します。例えば、吉良邸から持ち出された茶器「桂籠」を高教が吉良の首の代わりに泉岳寺まで運んだという話ですが、史実かどうかは不明です。

高教の遺品としては、脇差や筆記などが伝えられていましたが、多くは散逸してしまっています。しかし、彼の生涯と行動は、赤穂義士の物語の中で重要な役割を果たし、今も語り継がれています。彼の忠義と行動力は、後世の人々に大きな影響を与え続けました。

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