堀部武庸

堀部武庸：赤穂浪士四十七士の剣豪

堀部武庸は、寛文10年(1670年)、越後国新発田藩士の子として生まれました。幼少期は母方の祖母に育てられましたが、13歳の時に父が浪人となり、その後は様々な困難を経験します。しかし、天性の剣術の才能を持ち、江戸で腕を磨き、堀内道場で頭角を現しました。

高田馬場の決闘と赤穂藩への仕官

元禄7年(1694年)、同門の助太刀として高田馬場で起きた決闘に参加。その活躍は「18人斬り」と評判となり、赤穂浅野家家臣・堀部金丸の目に留まりました。金丸は武庸を婿養子として迎えたいと願いますが、武庸は当初これを断ります。しかし、金丸の熱意と浅野長矩の異例の許可により、中山姓のまま堀部家の婿養子となり、赤穂藩に仕官することとなりました。

赤穂藩では200石の禄を受け、御使番や馬廻役を務め、尾張藩への弔問使者にも選ばれるなど、重要な役割を担いました。

赤穂事件と討ち入り

元禄14年(1701年)、浅野長矩が吉良義央に刃傷に及んだ事件が発生。赤穂藩は改易となり、藩邸は暴徒に襲われます。武庸は暴徒を撃退し、藩邸を守りました。

その後、武庸は江戸詰の藩士らとともに大石良雄に面会。仇討を主張しますが、良雄は浅野家再興を優先すべきだと諭します。しかし、武庸はその後も強硬に仇討ちを主張し続け、江戸急進派のリーダー格として、大石良雄に働きかけました。

良雄との度重なる交渉、そして浅野家再興の絶望感から、ついに仇討ちが決定。元禄15年12月14日(1703年1月30日)、武庸は四十七士の一員として吉良邸に討ち入り、裏門から突入して奮戦しました。しかし、吉良方の者は一人も斬殺していません。

切腹とその後

討ち入り後、武庸は他の赤穂浪士らとともに預けられ、元禄16年2月4日(1703年3月20日)、切腹しました。享年34。

武庸の人物像

武庸は優れた剣術の腕前だけでなく、教養にも優れ、『堀部武庸日記』などの貴重な資料を残しました。養父・金丸との良好な関係や、高田馬場の活躍、赤穂事件における行動などから、四十七士の中でも特に人気が高い人物です。近年では武庸を主人公としたドラマなども制作されています。

関連施設

堀部武庸加功績跡碑（高田馬場）：高田馬場の決闘の事件現場
長徳寺（新潟県新発田市）：武庸の生家・中山氏の菩提寺
* 堀部安兵衛伝承館（新潟県新発田市）：武庸に関する資料を展示

まとめ

堀部武庸は、剣豪として、そして赤穂浪士の一員として、ドラマチックな生涯を送りました。その生き様は、現代においても人々の心を捉え続けています。彼の功績と人物像は、歴史の重要な一部として、これからも語り継がれていくでしょう。

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