澎湖庁

澎湖庁について

澎湖庁（ほうこちょう）は、日本統治時代の台湾に存在した地方行政区分の一つです。五州三庁制が敷かれていた時代、澎湖庁は三庁の一つとして位置づけられ、現在の澎湖県に相当します。澎湖諸島全体を管轄し、行政、司法、警察、教育など幅広い分野において重要な役割を担っていました。

人口

1941年の台湾常住戸口統計によると、澎湖庁の総人口は69,387人でした。内訳は以下の通りです。

内地人：3,619人
台湾人：65,694人
その他：74人

この統計から、当時の澎湖庁の人口構成は台湾人が大半を占めていたことがわかります。

行政区分

1945年当時、澎湖庁の行政区分は以下の通りでした。

支庁：馬公支庁、望安支庁
街庄：各支庁管轄下に街、庄が存在

戦後、澎湖庁は澎湖県となり、支庁は廃止されました。1946年6月には望安支庁も廃止され、管轄下の街庄は澎湖県の直接管轄となりました。

歴代庁長

澎湖庁の長官は、時代や組織体制の変遷に伴い、様々な名称で呼ばれていました。以下に歴代長官の一覧を示します。

澎湖列島行政庁長官
田中綱常：1895年3月-1895年6月
澎湖島庁島司
宮内盛高：1895年6月-1896年9月
伊集院兼良：1896年9月-1897年5月
澎湖庁長
伊集院兼良：1897年5月-1897年10月
多田禎三郎：1897年10月-1898年2月
高津慎：1899年2月-1900年12月
淺田知定：1900年12月-1902年6月
小林三郎：1902年6月-1906年4月
脇本彬：1906年4月-1908年5月
横澤次郎：1908年5月-1908年6月
山田寅之助：1908年8月-1909年10月
横山虎次：1909年10月-1914年1月
澤井瀨平：1914年1月-1916年11月
相川茂郷：1916年11月-1919年5月
川中子安治郎：1919年5月-1920年9月
高雄州澎湖郡守
竹下康之：1920年9月-1923年11月
清水喜七：1923年11月-1924年12月
杉山靖憲：1924年12月-1926年7月
澎湖庁長
増永吉次郎：1926年7月-1928年9月
児玉魯一：1928年9月-1929年10月
大竹勇：1929年10月-1931年5月
本間善庫：1931年5月-1933年2月
大磐誠三：1933年2月-1935年9月
福元岩吉：1935年9月-1936年10月
林田正治：1936年11月-1939年1月
今田卓爾：1939年1月-1940年7月
鶴友彦：1940年7月-1941年6月
川添修平：1941年6月-1942年8月
大田政作：1942年8月-

医療

澎湖庁には、台湾総督府澎湖病院が設置され、地域の医療を担っていました。

法院（裁判所）

澎湖庁には、裁判所は設置されていませんでした。

警察

1945年当時、澎湖庁の警察組織は以下の通りでした。

澎湖庁警務課
馬公支庁
望安支庁

各支庁には警察組織が置かれ、地域の治安維持にあたっていました。

気象

1942年当時、澎湖庁には澎湖測候所が設置され、気象観測が行われていました。

中等教育学校

澎湖庁には、澎湖庁立澎湖高等女学校が設置され、女子の中等教育を担っていました。

日本軍駐屯地

1936年の平時編制では、以下の日本軍部隊が駐屯していました。

澎湖島要塞司令部（馬公支庁）
馬公重砲兵連隊（馬公支庁）

澎湖島は軍事的に重要な拠点であり、要塞司令部や重砲兵連隊が配置されていました。

道路

1939年当時、澎湖庁には以下の指定道路がありました。

馬公湖西道
湖西良文港道
馬公大案山道

これらの道路は、地域の交通を支える重要な役割を果たしていました。

港湾

1938年当時、澎湖庁の主要地方港は馬公港でした。馬公港は、澎湖諸島の物流や軍事輸送において重要な役割を果たしていました。

日本海軍

澎湖には、馬公要港部、馬公警備府、馬公特別根拠地隊といった日本海軍の拠点が置かれていました。

神社

澎湖庁には、澎湖神社が建立され、地域住民の信仰の場となっていました。

関連項目

台湾総督府
日本統治時代の台湾行政区分
台湾の行政区分
* 澎湖県

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