大田政作

大田 政作 (おおた せいさく)

大田政作は1904年2月12日に沖縄県の国頭村で生まれ、1999年8月18日に亡くなった日本の官僚であり政治家です。1959年から1964年にかけて、琉球政府の行政主席を務めた彼は、沖縄の復興と発展に多大な影響を与えました。

経歴

沖縄の地方に生まれた大田は、1928年に早稲田大学法学部を卒業し、在学中に高等文官試験に合格しました。卒業後は、長崎地方裁判所や那覇地方裁判所で判事としての職務をこなした後、台北地方法院検事局の検事としても活動しました。終戦を迎えた時には澎湖庁庁長として在任していました。

戦後の混乱の中で、彼は熊本で弁護士としてのキャリアを開始しましたが、1957年に当間重剛主席に請われて沖縄に戻り、副主席に就任しました。次いで1959年には琉球政府の行政主席に任命されると、同時に保守勢力を統合した沖縄自由民主党の総裁にも就任しました。

大田主席は、実務者レベルの日本政府との協力関係を築く努力を行い、日米琉懇話会の設置を提案しました。しかし、米国民政府のキャラウェイ高等弁務官が沖縄の政治に介入する中、沖縄自民党内では派閥抗争が激化しました。特に西銘順治らの反主流派が沖縄自民党を脱党し、最終的には責任を取って辞職せざるを得なくなりました。

辞任後の活動

辞任後は東京に戻り弁護士としての業務を続け、1965年に自由民主党から参議院議員選挙に出馬しましたが、惜しくも落選しました。この選挙では安里積千代も無所属で出馬していましたが、こちらも落選しています。1970年には自民党沖縄県支部連合会長に就任し、1972年には沖縄が日本に復帰した後の最初の沖縄県知事選挙に立候補しましたが、その際は現職の行政主席だった屋良朝苗に敗北しました。

著書

大田はまた、多くの著作を残しています。1970年に刊行された『想い出を随筆にのせて』や、1978年の『回想録――わが半生の記』は彼の思い出や経験を語ったものであり、1980年発行の『歴史の証言――米占領下における沖縄の歩み』では沖縄の歴史に関する重要な証言を記録しています。また、1982年には『青少年たちを緑の中へ』を出版し、1987年には『悲運の島沖縄――復帰への渦を追って』という作品も世に出しています。さらに、1989年には『憶う、時の流れに』を私家版として発行し、彼の思索の軌跡を辿ることができます。

まとめ

大田政作は、沖縄の復帰に向けた重要な政治的役割を果たし、沖縄の歴史に深い足跡を残した政治家です。彼の著作は、彼自身の経験だけでなく、沖縄の歴史や文化を理解する上でも貴重な資料として価値があります。

もう一度検索