濁度

濁度とは

濁度（だくど、Turbidity）とは、水中に含まれる微粒子やコロイド状物質によって、水が濁って見える度合いを表す指標です。水質を評価する上で重要な要素の一つであり、飲料水、工業用水、環境水など、様々な分野で測定されています。

濁度の定義

日本工業規格（JIS K0101「工業用水試験方法」）では、濁度の定義を以下のように定めています。

精製水1リットルに対し、標準物質であるカオリンまたはホルマジンを1ミリグラム含有させ、均一に分散させた懸濁液の濁りを濁度1度とします。試料の濁度は、この標準液と比較することで決定します。

標準物質には、カオリンとホルマジンの2種類が用いられますが、それぞれ濁りの状態が異なるため、測定結果を記述する際には「度（カオリン）」や「度（ホルマジン）」のように標準物質を明記する必要があります。

標準物質と単位

一般的に、カオリンよりもホルマジンの方が粒子の均一性に優れているため、JIS K0101やJIS K0801「濁度自動計測器」では、ホルマジン標準液が採用されています。この場合、濁度の単位として、ホルマジン濁度単位である「FTU (Formazin Turbidity Unit)」が用いられます。

アメリカで用いられている濁度の単位である比濁法濁度単位「NTU (Nephelometric Turbidity Unit)」も、ホルマジン標準液に基づいています。

一方で、日本[[水道協会]]の「上水試験方法」では、カオリン標準液が採用されているため、注意が必要です。

濁度の種類と測定原理

濁度は、測定原理によって以下の種類に分類されます。

視覚濁度: 目視で濁りを評価する方法
透過光濁度: 水を透過する光の減衰度合いから濁度を測定する方法
散乱光濁度: 水中で散乱する光の強度から濁度を測定する方法
積分球濁度: 積分球を用いて全方向からの散乱光を測定する方法

濁度の測定方法は、透過光測定式、散乱光測定式、表面散乱光方式、これらの複合など、複数の方式があります。

各測定法は、それぞれ測定可能な範囲や影響を受ける要素が異なるため、状況や用途に合わせて適切な測定方法を選択する必要があります。

濁度の測定方法

濁度を測定する主な方法としては、以下のものが挙げられます。

透過光測定式: 光源から試料に光を照射し、透過する光の量を測定します。濁度が高いほど、透過する光の量は減少します。比較的単純な構造で、安価な装置で測定が可能です。
散乱光測定式: 光源から試料に光を照射し、散乱される光の量を測定します。濁度が高いほど、散乱される光の量は増加します。より微細な濁りも検出できるため、精密な測定に適しています。
表面散乱光方式: 試料の表面で反射・散乱する光を測定します。主に表面の汚れや油膜などの影響を評価するのに用いられます。

これらの測定法を組み合わせた複合方式もあります。

濁度と関連する指標

濁度は、以下の指標と関連性があります。

吸光度: 物質が光を吸収する度合い。濁度が高い場合、吸光度も高くなる傾向があります。
透視度: 水の透明度を示す指標。濁度が高いほど、透視度は低くなります。
浮遊物質: 水中に浮遊する固体物質。濁度の主な原因となります。

まとめ

濁度は、水質を評価する上で重要な指標であり、様々な分野で活用されています。測定方法や単位について理解し、適切に測定・評価することが大切です。

参考文献
EICネット 環境用語集：「濁度」
濁度計・濁度測定方式の説明 - 横河電機株式会社

関連項目

吸光度
透視度
* 浮遊物質

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