濱口道成

濵口道成（はまぐち みちなり）

概要

濵口道成氏は、日本の著名な医学者であり、腫瘍生物学、腫瘍生化学、細胞生物学を専門としています。名古屋大学医学部学部長、総長を歴任し、その後、科学技術振興機構（JST）理事長、日本医療研究開発機構（AMED）先進的研究開発戦略センター長を務めるなど、日本の科学技術研究の発展に大きく貢献してきました。特に、癌研究における画期的な成果や、大学経営における卓越したマネジメント能力で知られています。

生い立ちと教育

1951年2月19日、三重県伊勢市で生まれた濵口氏は、1969年に三重県立伊勢高等学校を卒業後、名古屋大学医学部医学科に進学しました。1975年に同大学を卒業し、大学院に進学。1980年には「P-Fluorophenylalanine存在下におけるインフルエンザウイルスNucleoprotein抗原の核内蓄積機構の解析」と題する学位論文を提出し、医学博士号を取得しました。この研究は、ウイルス学における重要な知見をもたらしました。

医学研究者としてのキャリア

1980年、名古屋大学医学部附属癌研究施設助手に着任したのを皮切りに、医学研究者としてのキャリアをスタートさせました。その後、名古屋大学医学部附属病態制御研究施設助手、助教授を経て、1985年には米ロックフェラー大学分子腫瘍学講座研究員として海外での研究経験も積みました。帰国後、名古屋大学医学部附属病態制御研究施設教授、名古屋大学アイソトープ総合センター分館長などを歴任し、2001年には名古屋大学大学院医学研究科附属病態制御研究施設教授に就任。2002年には同研究施設長となりました。2003年には名古屋大学大学院医学系研究科附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター教授、2004年には名古屋大学大学院医学系研究科附属医学教育研究支援センター長にも就任し、研究だけでなく、教育分野においてもリーダーシップを発揮しました。2005年には名古屋大学大学院医学系研究科長・医学部長に就任し、医学部全体の運営を担いました。

名古屋大学総長として

2009年、濵口氏は名古屋大学総長に就任しました。総長として、大学の国際化を積極的に推進し、特にアジア地域へのサテライトキャンパスの展開に尽力しました。その卓越したマネジメント能力は高く評価され、大学の発展に大きく貢献しました。

科学技術振興機構（JST）理事長として

2015年、濵口氏は国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）理事長に就任しました。JST理事長としては、科学技術政策の推進に尽力し、日本の科学技術研究の発展を牽引しました。また、文部科学省科学技術・学術審議会会長も務め、科学技術分野における政策決定にも深く関与しました。

日本医療研究開発機構（AMED）先進的研究開発戦略センター長として

2022年、濵口氏は国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）先進的研究開発戦略センター長に就任しました。AMEDでは、医療分野における最先端の研究開発を推進し、国民の健康増進に貢献しています。

癌研究における業績

濵口氏の癌研究における業績は特筆すべきものです。2007年には、RNA干渉を利用して、治療が困難とされる胆管癌を選択的に縮退させることに、マウスの実験で成功しました。この成果は、癌治療における新たな可能性を示唆するものとして、世界的に注目されました。

著作

濵口氏は、研究活動だけでなく、以下の書籍の翻訳も手がけています。

『アット・ザ・ヘルム：自分のラボをもつ日のために』キャシー・バーカー著、田口マミ子・小沢元彦・鶴戸嘉明訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル 2004
『ラボ・ダイナミクス：理系人間のためのコミュニケーションスキル』カール M.コーエン,スザンヌ L.コーエン著、メディカル・サイエンス・インターナショナル 2007

これらの書籍は、研究者としてのキャリア形成や研究室運営に関する貴重な知識を提供しています。

その他の活動

濵口氏は、国立研究開発法人協議会副会長、国立研究開発法人協議会連携協力分科会長なども務め、科学技術研究の発展に多方面から貢献しています。

外部リンク

私の幼少期～両親の教え～ - 日本の学校
名古屋大学総長 濱口道成 - 学生マンションのナジック


まとめ

濵口道成氏は、医学研究者として卓越した業績を上げ、教育者、大学経営者、そして科学技術政策の推進者としても多大な貢献をしてきた人物です。その幅広い活動は、日本の医学・科学技術分野の発展に不可欠なものであり、今後もその活躍が期待されます。

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