瀧山養

瀧山養の生涯

瀧山養（たきやま まもる）は、1910年（明治43年）に大阪府で生まれ、2009年（平成21年）に99歳で逝去した、日本の鉄道官僚、土木工学者です。東京帝国大学工学部土木工学科を卒業後、鉄道省に入省し、戦前・戦後の日本の鉄道事業を支えました。第62代土木学会会長を務めたほか、日本国有[[鉄道]]（国鉄）では技師長、理事、顧問を歴任し、鹿島建設では専務取締役を務めるなど、多岐にわたる分野で活躍しました。

若き日の軌跡

瀧山は、大阪府で生まれましたが、後に東京市へ転居。東京市立麹町小学校、第四高等学校を経て、1932年に東京帝国大学工学部土木工学科を卒業しました。卒業後、高等文官試験行政科に合格し、鉄道省に入省。初期には、東京改良事務所や新潟鉄道局、建設局停車場課、華北交通などに配属され、鉄道技術者としてのキャリアをスタートさせました。その後、軍需省への出向を経て、1945年には運輸省鳥栖管理部長に就任しました。

国鉄での活躍

1949年には、運輸省輸送局設備課長、1952年には審議室調査役を歴任。1955年には広島鉄道管理局長に就任し、その後、審議室長を経て、1960年に国鉄常務理事に就任しました。国鉄では、戦後の復興期における鉄道輸送の復旧・発展に貢献し、新幹線建設にも尽力しました。1963年に国鉄を退官した後も、1973年には国鉄技師長として再び国鉄に携わり、その後は顧問を務めるなど、長きにわたり国鉄の発展に貢献しました。

鹿島建設での経験

国鉄退官後の1967年から、鹿島建設専務取締役として建設業界でもその手腕を発揮しました。鹿島建設では、鉄道建設で培った技術と経験を活かし、数々のプロジェクトを成功に導きました。

学術分野での貢献

土木工学者としても著名で、1964年には東京大学で工学博士号を取得しました。博士論文は「鉄道幹線輸送力増強方式の研究」です。1974年には、土木学会会長に就任し、日本の土木工学の発展に貢献しました。また、海外鉄道技術協力協会（JARTS）理事長や顧問も務め、国際的な鉄道技術協力にも力を注ぎました。

その他の活動

1992年には、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）が推進する日韓トンネル研究会の副会長に就任するなど、幅広い分野で活動を展開しました。

受賞と著作

1963年には土木学会賞を受賞、1980年には土木学会功績賞と勲二等旭日重光章を受章しました。著書には、『鉄道の改良計画について』、『海外鉄道技術協力とその問題点』、『海外鉄道技術協力への思い』、『遥かなる鉄路を歩みて:ある鉄道マンの激動の軌跡』などがあり、鉄道技術に関する深い知見と経験を後世に伝えています。

まとめ

瀧山養は、鉄道官僚、土木工学者として、日本の鉄道の発展に大きく貢献した人物です。戦前・戦後の激動期において、鉄道技術者として活躍し、新幹線建設にも尽力。土木学会会長や国鉄技師長、鹿島建設専務取締役などを歴任し、多岐にわたる分野で活躍しました。その功績は、日本の[[鉄道史]]に深く刻まれています。

略年表

1910年（明治43年）：大阪府に生まれる。後に東京市に転居。
1932年（昭和7年）：東京帝国大学工学部土木工学科卒業。鉄道省入省。
1945年（昭和20年）：運輸省鳥栖管理部長
1955年（昭和30年）：広島鉄道管理局長
1960年（昭和35年）：国鉄常務理事
1963年（昭和38年）：国鉄を退官
1968年（昭和43年）：鹿島建設専務取締役
1973年（昭和48年）：国鉄技師長
1974年（昭和49年）：土木学会会長
1979年（昭和54年）：国鉄顧問
1980年（昭和55年）：海外鉄道技術協力協会（JARTS）理事長
1986年（昭和61年）：JARTS顧問
* 1992年（平成4年）：日韓トンネル研究会副会長就任

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