瀧川鯉かん

瀧川 鯉かん（たきかわ りかん）

瀧川鯉かんは落語界における名跡の一つであり、現在その名跡は空き名跡となっています。鯉かんという名前は、落語の伝統を受け継ぐ重要な役割を果たしてきた以外にも、文化的な影響も持ち合わせています。次の段落では、初代から3代目までの鯉かんについて詳述します。

初代 瀧川鯉かん

初代の生没年は不明ですが、若い時から三味線を愛好し、文政末から天保初期にかけて旅回りの一座で活動していました。その後、伊香保にて初代三升亭小勝に見出され、江戸の高座に登壇するようになりました。巡業時の芸名は明らかではありませんが、鯉かんの名は滑稽本作者の滝亭鯉丈から取られたとされています。

江戸に進出後は「都々一」「浮かれ節」「謎合わせ」といった音曲を得意とし、寄席では大看板の一人として知られました。また、多くの弟子を持ち、3代目立川談志や3代目麗々亭柳橋がその門下にありました。彼は嘉永4年から5年（1851年から1852年）の頃に亡くなったとされています。

2代目 瀧川鯉かん

2代目の鯉かんは、元々新内の鶴賀鶴太夫であり、その美唱により大変評判でした。3代目麗々亭柳橋に見いだされ、彼の弟子となりました。同門の桜家橋之助と共に「喧嘩都々一」と呼ばれる演目を展開し、同時期に広く知られました。この演目は相方を罵倒し合うユニークな内容であり、観客の笑いを呼び起こしました。晩年には霊岸島で芸者屋の隠居として静かな日々を送りました。

3代目 瀧川鯉かん

3代目は最初に4代目春風亭柳枝の元で学び、後に2代目談洲楼燕枝の弟子となりました。1912年5月には3代目の鯉かんとして襲名しました。彼は入船米蔵（板橋啓次郎）と組み、掛け合い噺の軽口を演じ、観客を楽しませていました。また、大正期には演芸会社に属し、震災後は睦会で活動していました。昭和4年頃まで活躍していたようですが、その後は引退の道を選んだようです。

このように、瀧川鯉かんの名跡は、それぞれの代で異なる才能やスタイルを持った落語家たちによって引き継がれてきました。落語という伝統芸能は、彼らの存在なしには語れないものであり、今後もその歴史を学び、広めることが重要です。

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