瀧沢石器時代遺跡

瀧沢石器時代遺跡

瀧沢石器時代遺跡は、群馬県渋川市赤城町滝沢に位置する縄文時代の重要な遺跡であり、その歴史的価値から国の史跡に指定されています。

概要

この地では以前から地表で土器や石器が採取されていましたが、1926年（大正15年）春に畑地から炉が発見されたことを契機に、本格的な発掘調査が始まりました。内務省の柴田常恵、児玉九一らが現地を訪れ、原田龍雄、豊国覚堂、岩沢正作らの協力のもとで詳細な調査が行われました。

発掘調査では、石鏃173点、石斧133点、岩版8点、そして長さ1メートルを超える石棒、石剣、石皿、多種多様な土器が出土しました。特に土器は、縄文時代前期から晩期にかけてのものが発見され、勝坂式、阿玉台式、加曾利E式など、縄文中期を中心とした様々な様式が含まれています。また、4箇所の建物跡も確認されており、当時の集落の様子を伺い知ることができます。

遺跡の北方には滝沢湧玉という湧水があり、縄文時代の人々が生活用水として利用していたと考えられています。この湧水は、当時の人々の生活を支える重要な役割を果たしていたのでしょう。

1927年（昭和2年）4月8日には、その歴史的価値が認められ、国の史跡として指定されました。

1926年の発掘調査後、遺跡は一度埋め戻されましたが、1997年（平成9年）度以降に再び発掘調査が行われ、大規模な環状列石遺構の存在が確認されました。この発見を受け、2004年（平成16年）2月27日には史跡の追加指定が行われ、遺跡の重要性が改めて認識されることとなりました。

出土した遺物は、渋川市赤城歴史資料館に収蔵・展示されており、一般公開されています。これらの遺物は、縄文時代の文化や技術を理解するための貴重な資料となっています。

周辺情報

遺跡の周辺には、以下の施設や名所があります。

渋川市立赤城南中学校
上三原田の歌舞伎舞台
渋川市赤城歴史資料館
不動寺

これらの周辺施設と合わせて、瀧沢石器時代遺跡を訪れることで、地域の歴史や文化に触れることができるでしょう。

まとめ

瀧沢石器時代遺跡は、縄文時代の生活や文化を知る上で非常に重要な遺跡です。出土した遺物や環状列石遺構は、当時の人々の暮らしや精神文化を今に伝える貴重な証拠です。渋川市を訪れる際には、ぜひこの遺跡を訪れて、古代の人々の息吹を感じてみてください。

参考文献

赤城村誌編纂委員会 編『赤城村誌』赤城村誌編纂委員会、1989年3月31日。 
群馬県『群馬県下国宝並指定史蹟名勝天然紀念物』群馬県、1937年3月31日。doi:10.11501/1916628。 
群馬県史蹟名勝天然紀念物調査会『群馬県史蹟名勝天然紀念物調査報告』 第1輯、三明社、1929年12月25日。doi:10.11501/1119366。 
高橋, 城司「瀧沢石器時代遺跡調査雑記」『上毛及上毛人』第110号、上毛郷土史研究会、1926年6月1日、1-11頁、doi:10.11501/3567300。 
横野村誌編纂委員会 編『横野村誌』横野村誌編纂委員会、1956年9月10日。doi:10.11501/3021255。 
勢多郡横野村役場『横野村史蹟大観』勢多郡横野村役場、1934年11月5日。doi:10.11501/1235747。 

外部リンク

* 瀧沢石器時代遺跡｜渋川市観光情報

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