瀬在良男

瀬在良男について

瀬在良男（せざい よしお）は、1926年（大正15年）2月20日に生まれ、2001年（平成13年）4月15日に亡くなった日本の哲学者です。彼は、日本大学の第9代総長を務めたことでも知られています。瀬在良男は、哲学研究者として、実存哲学、記号論、価値論といった多岐にわたる分野で研究を行い、その成果は多くの著作として発表されました。

生い立ちと学歴

瀬在良男は、長野県埴科郡五加村内川（現在の千曲市）で、医師の次男として生まれました。実弟には、医学者で日本大学の第10代総長を務めた瀬在幸安がいます。彼は、旧制屋代中学（現在の長野県屋代高等学校）を経て、1950年（昭和25年）に日本大学法文学部文学科を卒業しました。その後、母校である日本大学で専任講師として教鞭を執るようになりました。

研究活動と留学

1958年（昭和33年）には、日本大学の助教授に昇進しました。1964年（昭和39年）から1965年（昭和40年）にかけて、南カリフォルニア大学に留学し、大学院哲学専攻博士課程を修了しました。この留学経験は、彼の研究活動に大きな影響を与えたと考えられます。帰国後の1967年（昭和42年）には、日本大学文理学部の教授に就任し、1975年（昭和50年）には、論文「行動論的価値論の研究」で文学博士号を取得しました。

大学運営への貢献

瀬在良男は、教育者、研究者としての活動だけでなく、大学運営にも深く関わりました。1976年（昭和51年）には、フロリダ州立大学の客員教授に就任し、国際的な視点も養いました。その後、日本大学では、通信教育部長、副総長、文理学部長といった要職を歴任し、1993年（平成5年）から1996年（平成8年）まで、第9代日本大学総長を務めました。総長在任中は、大学の自己点検・評価制度の推進、健全な財政基盤の確立、企画・立案機能の強化に尽力し、大学の発展に大きく貢献しました。また、文部省（現在の文部科学省）の大学設置審議会委員も務め、大学教育の質の向上にも貢献しました。

その他の役職

瀬在良男は、日本科学哲学会の理事、日本私立大学連盟の常務理事、私学研修福祉会の理事長など、多くの役職を歴任しました。また、日本哲学会の会員、国際哲学会議の会員としても活動し、幅広い分野で活躍しました。

主な著書

瀬在良男は、数多くの著書を執筆しており、その主なものとしては以下のようなものがあります。

「実存と論理―ハイデッガーの実存論哲学序説」（1955年、駿河台出版社）
「実存と分析の論理―言語の一般認識論序説」（1958年、学芸書房）
「一般記号論序説―記号と行動の論理」（1960年、駿河台出版社）
「哲学の諸問題」（1962年、駿河台出版社）
「記号論序説―その歴史と体系」（1970年、駿河台出版社）
「行動論的価値論の研究」（1976年、駿河台出版社）

また、翻訳書として、ジョン・ホスパーズ著「分析哲学入門 5―論理学」（1971年、法政大学出版局）があります。これらの著作は、彼の哲学研究の足跡を示すとともに、現代の哲学研究にも大きな影響を与えています。

瀬在良男は、哲学研究者としてだけでなく、教育者、大学運営者としても多大な貢献をした人物であり、その業績は今もなお高く評価されています。

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