瀬在幸安

瀬在幸安（せざい ゆきやす）

1930年（昭和5年）4月7日生まれ。日本の医学者で、特に心臓外科学を専門としています。元日本大学総長であり、心臓外科における国際的な権威として知られています。

生い立ちと学歴

長野県埴科郡五加村内川（現在の千曲市）で、医師の三男として誕生しました。哲学者で日本大学第9代総長であった瀬在良男は実兄です。長野県屋代高等学校（1期生）を経て、1955年（昭和30年）に日本大学医学部医学科を卒業。1960年（昭和35年）には同大学院医学研究科博士課程（外科学）を修了し、医学博士号を取得しました。博士論文の題は「僧帽弁狭窄症の手術前後における心肺機能検査成績」です。

研究とキャリア

1960年に日本大学医学部の講師となり、1965年から1968年までフルブライト奨学研究員としてオレゴン大学心臓外科に留学しました。帰国後、日本大学医学部教授、医学部長、副総長を歴任し、1996年（平成8年）から2005年（平成17年）まで日本大学総長を務めました。2000年（平成12年）には日本大学名誉教授の称号を得ています。

1970年（昭和45年）には、虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス手術（A-Cバイパス術）を日本で初めて成功させ、日本の心臓外科医療の発展に大きく貢献しました。また、国際交流と産学連携を推進し、世界水準の教育と研究を目指した大学改革にも積極的に取り組みました。文部省の大学設置・学校法人審議会委員や厚生省の公衆衛生審議会委員も務め、日本の医学界を長年にわたり牽引しました。

主な役職

国際ロータリー血液ポンプ学会会長
日本人工臓器学会長
日本頚動脈外科学会理事長
日本生命倫理学会会長
日本心臓血管外科学会名誉会長
全国医学部長・病院長会議会長
日本私立大学連盟常務理事
国際教育交流協議会会長

受賞と栄典

三越医学賞（1977年）：「急性心筋梗塞症の外科療法」
ハンス・セリエ賞（1990年）
プラハ大学賞（1994年）
国立ヨルダン大学賞（1994年）
ギーセン大学賞（1995年）
産学官連携功労者表彰科学技術政策担当大臣賞（2003年）
瑞宝大綬章（2006年）
千曲市名誉市民（2015年）


瀬在幸安は、その卓越した技術とリーダーシップで、日本の心臓外科医療を世界レベルに引き上げ、教育者としても多くの人材を育成しました。また、国際的な交流や産学連携を積極的に推進し、医学の発展に大きく貢献しました。

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